1706 破綻主義の濫用を戒めた,最高裁「有責配偶者の離婚請求は認めない」~by反離婚弁護士

私が受けてきた夫婦の離婚事件等は,弁護士になってから8年のため,6件ほどしかないのですが,その全件が離婚回避をうけおったものです。
(夫が家庭を壊すばかりとは限りません,今や妻にも居ます。)

つまり,当事者の相手が別れたいと言って,無茶(嫌がらせ・モラル・ハラスメント)をしかけてくるような事案です。

ところが,今や,弁護士も裁判所も今日では,やりたい放題の傾向が見て取れます。

それは,破綻主義の濫用です。

    ①夫婦間に喧嘩があり,仲が悪くなり,性格が合わなくなったりし,かつ
    ②現在別居があると
    その原因がどちらにあるかを子細に検討することもせずに,夫婦は破綻していると決めつけて,夫婦離婚に持っていこうとするやり方です。

一見常識に副うかに見えるものだから,
そして,出て行った夫らを家に戻すのが実際上難しいことから
濫用方向に拍車がかかっているわけです。

調停委員や裁判官までも,ゴロゴロいると言った印象です。


【夫婦同居義務の存在。離婚原因の主張は原告側にある】
しかし,民法752条を見て下さい,
夫婦は同居義務がありますから,例えば,仮に夫が(勝手に)出て行った場合
夫の側で,同居は,妻の原因で到底耐えられるものではない旨の主張及び立証しなければならないはずです。

    現に,同居の審判になりますと
    出て行ったこの夫は,その合理的理由があることを主張立証しなければならず,
    立証に失敗すれば,本来同居せよとの判断を裁判所がすることになるはずです。
    (但し,同居の強制力まではない)

    そして離婚訴訟に至った時でも,出て行った夫は,妻の側に離婚原因があることを主張立証しなければならないはずです。


【破綻主義の問題性】
にもかかわらず,これをうやむやにしてしまう,実務運用こそが
先に述べた「破綻主義」の濫用なのです。

破綻主義の濫用の?論者は言います。
先の例で,夫が出て行った場合に,夫には何も聞かず,
(可哀想な)妻に対して
「今更,あなたに何ができるの?」とまくし立てたり,
「捨てられるにはそもそもあなたに理由があったんじゃないの?」と言わんばかりの予断と偏見に満ちた質問をおくびもなくしてきたりするのです。

要は,「こうして現に別居していて,家に戻すが難しいのだから別れなさい」と言うわけです。

    散々事実の調査をした結果,妻に原因がしっかりとあるというのなら良いですが,
    必ずしもそれをせずに限らず嫌みな質問してくるのが本当に困りものなのです。

    妻は,夫の衣食等も当然に含む日々の家事育児を精一杯やってきたのであり,何よりも,未成熟子がいるのにもかかわらず,このようなことを平気で言うのです。


【契約違反者が契約を解消する権限はない・・・・有責配偶者理論】
破綻主義のおかしさは,
夫婦間問題の原因というものをきちんと把握せず,
現状(別居)をただ追認するだけという点にあります。

普通,契約一般では,契約の相手が約束を守らなかった場合に,
それにより不利益を受けた側が解除する権利を得るというにすぎません。
自ら契約違反をした場合,例えば代金を払わない,賃料を払わないのに,払わないことでもめ事等が起きたから,契約を解除するなんて論法はおかしいし,あり得ないのです。

これからしても有責配偶者が離婚請求するなんて,本来認められるはずがない,
むしろ棄却が当たり前なくらい。
もちろん,10年以上別居が続いたら・・・・ということはあるかもしれませんが,未成熟子がいる場合は,それもちょっと違う,筋違い,ということになるでしょう。

つまり,最高裁の有責配偶者理論なんてのは,一般の契約の論理からしても至極当然なのです。
最高裁は,実務で横行する破綻主義の行き過ぎを戒めるために,当たり前のことを再確認しただけのことだと思います。


【むしろ別居した夫に対して質問しろと言おう】
先の例題で
捨てられた可哀想な妻に対して「今更,あなたに何ができるの?」等を問うてきた場合
「もっと,同居義務違反の夫に対して,責任を問う質問をしろよ」
と声を大にして言うべきです。

いずれにせよ,離婚原因が妻にあったかについては,
この場合離婚を求める夫に主張立証責任あるのですから
「妻にばかりそんな質問するな!,もっと根本的な質問を夫に問え。夫の主張する離婚原因について徹底的に批判的な検討をして質問を浴びせかけよ!」
と声を大にして言って上げて下さい。

    せめて,例えば,
    「同居義務があるにもかかわらず,現在,妻に,これに見合う配慮をしないのは何故ですか?」
    「妻に,十分な配慮をして家を出て来たのですか?慰謝料500万円とか」
    等を問えと。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中