1692 実は大きな問題提起のN国党,「契約と支払は別物」,契約内容(料金)をNHKが勝手に決めている問題

最近N国の立花さんの発言が物議を醸しています。
「テレビはあるので,放送法のとおり契約はします。でも契約と支払は別なので支払いません」

それにNHKが「違法行為を助長する可能性がある」などと噛みついているようです。

立花さんは,契約と支払は別ということにつき
2つの問題提起をしました。


【裁判確定までは支払はない】
NHK受信料の支払いは,仮に契約が成立したとしても,その支払いについては放送法に規定されているわけでもなく,未払につき罰則も有りません。

となると,支払の仕方等については民法によって決まるということになります。
この場合,契約があるから当然に支払わねばならないというのではなく
裁判によって支払命令が確定した場合に,その決められた額を支払えばよいことになります。

    ちょうど交通事故を起こした加害者といえども
    当然に支払うというのではなく
    裁判で支払命令が出されて,その裁判が確定したら支払義務が生まれますが
    その確定までの間は,当然には支払う義務はありません。
    ただし,遅延損害金は追加されます(交通事故日からの年5%の利息を付加する必要がある)。

NHKも同様です。
契約が成立したとしても,裁判を起こされ,その裁判が確定する迄は支払わなくて良い。
しかも時効にかかった分は払わなくて良いので,最大5年分払えば良いということになります(最高裁判決)。
ただ最大その5年分については,年5%の遅延損害金が発生するでしょう
(遅延損害金の起算日は,早い場合はその視聴月の末日の翌日からか,もしくは訴状送達の翌日からでしょう。)

    なお,NHKは,受信料を払わないでよいと公言することは違法行為を助長することになるなどと言います。

    しかしながら,裁判確定まで支払わないとすること自体は違法でもなんでもありませんので,それを助長しても違法にはなりません。
    刑法の罰則もないので,それを唆しても罪にはなりません。
    民法の損害賠償の点でも,裁判確定までの未払は許容されるので,そのそそのかしも違法ではありませんから損害賠償義務も負いません。


【契約内容であるところの料金設定につき安易な立法の委任は許されるかの問題】

受信機を設置したら放送法によって契約が成立するのは法律なので仕方ないとします。

問題は,支払義務の中身,
つまり料金を契約の中身は,NHKが勝手に決めていることです。→後注)

こういうのは,放送法には直接書かれていないけれども,放送法という法律がNHKの料金規約に委任して決めさせているのだと思います。

これを「立法の委任」と言います。
普通の法律でも,細目について,下位の規則や政令に委ねることは多くあります。

しかし問題なのは,
立法の委任というものを,公務員以外の者に認めて良いのか,です。
そして契約内容(料金額)というものを国民抜きでNHKだけが決めて良いのか,です。

国の立法は国会が独占して決めます(憲法41条)
国民代表である議員による国会が立法を独占することには,民主的コントロールの点で大きな価値を持っています。
ある法律の制定にあたり,法律の細目事項についてのみを行政府のお役人に委ねることも実は憲法上一応の疑義があるのですが,行政府のお役人であれば辛うじて,未だ民主的コントロールが及んでいるとみて良い場合もあろうかと思います。

    しかしNHKという要は民間人に,料金設定等について立法府が委任してよいのでしょうか。
    本来民間人に対しては,民主的コントロールを及ぼすのは極めて困難です。
    公務員が国民の全体の奉仕者であるとの憲法の規定も適用になりません。

    ですから,やはり憲法41条との関係で大いに疑義があるのではないか,と思うわけです。
    料金は契約の最も本質的要素である上,何よりも国民の権利義務内容を具体的に取り決めるものですから,国会が責任を持たねばなりません。
    内容的にも税金に近いものです。

    本来,契約の内容ということであれば,一人ひとりの国民が料金額をNHKと協議して決めてもよいことになります。
    仮にそれは非現実的であるとしても,だからといって,安易にNHKに委ねるのはどうかと思うのです。
    本来憲法41条マターなのだから,料金設定について,せめて民主的コントロールが強く及ぶように,憲法41条を厳格に解釈しましょうということなんです。

    →後注)

学生さんは,憲法の先生に,立法の委任とNHKの料金設定という問題点について(憲法41条),意見を聴いて貰いたいです。


立花さんは,以上2つの点で良い問題提起をしてくれたと思います。


    後注)
    なお,放送法64条によれば
    「3  協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」
    とあり,一応大臣の認可が必要になっています。

    ですが,立法府による監督ではない上,相手は民間なので,このようなことで,憲法41条が要求する民主的統制が果たされているかはやはり議論の余地があるでしょう。

    これだと,総務大臣さえ丸め込めば,NHKは何でも可能になってしまいます。
    そもそも総務大臣が,設けすぎのNHKに対しつ料金を半額にせよと言ったことは聞いたことがありませんよね。
    ことは,国会の立法権限の問題なのですから。

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