1587 最高裁,養育費等を増額方向で検討?/婚姻費用は離婚原因の有無で幅を持たせたら?

5月6日のYahoo!ニュースによれば
「母子家庭貧困の一因」養育費算定、最高裁設置機関が見直し検討」
として,日弁連が二年前に提案した,婚姻費用ないし養育費の算定基準の底上げが出来るかどうかの検討を始めたとしている。

      最高裁は婚姻費用増額に着手?

私の事務所は,女性のお客様の方が相当多いので,
婚姻費用や養育費が増額になることは,私の事務所としては有り難い方向かもしれません。

ただ,結論を先に言えば,
配偶者や子どもと離れて別居した夫ないし妻に離婚原因がある場合に,
今の月額2万円の差ではなく,最大月6万円程度の上乗せができるようにしたらどうか,と思います。


【婚姻費用等増額は結婚がますます遠のく?】
ただ,一方で,もっとマクロ的にみると,
日本は,長引く不況に加えて,消費増税の影響,
そして小泉改革の悪政による非正規社員等で,
男性の稼ぐ能力が減っており,
ただでさえ結婚できない男性が増えています。

しかも昔と違い,今は,携帯やら何やら,個人支出が多いのです。

その上で,自動的に,婚姻費用や養育費の増額が可能か,
というと,そうそう簡単なことではないのではないかとおもいます。

最高裁も,そこまで思い切ったことができるかは,いまいち疑問です。


【婚姻費用を払わされる男性が虐げられている例もある】
新聞記事の例や日弁連の挙げる例は,ごもっともかと思います。

ただ,そうではない例もあります。

これは,弁護士になる前の経験ですが,
夫婦の力関係は,圧倒的に妻の方が強いご家庭もありました。
夫が虐げられて,酷く肩身を狭くして生活していた例もあります。

もちろん,同居の時は給与全額妻に渡し,小遣いはごくごく僅か,
妻は悠々自適な生活を満喫。
夫が堪えきれず別居してから,婚姻費用申立までの間にも、婚姻費用の数倍もお金を取られている,なんて例も。

    そうした虐げられた夫の場合,婚姻費用申立て後の請求額の中から,
    過去に払いすぎの分を取り返して上げたくなるくらいでした。
    ・・・・理論上は,減額は全く出来ませんが。。。


【婚姻費用や養育費の強制執行は保護されている】
なお,婚姻費用や養育費は,低いと非難されていますが,
ただ,強制執行の段階では,保護が厚いです。

普通のサラリーマン夫の場合,
一般の借金による給与の差押えは,給与の4分の1までですが,
婚姻費用や養育費は2分の1まで,差押えられますので,保護は厚いです。

婚姻費用や養育費が高騰した時,この強制執行による保護のバランスも問題になるかもしれません。
(考え方としては,今の2分の1から3分の1に保護を弱めるべきとの意見も出るかもしれません。)

    余談になるかもしれませんが
    強制執行は,不埒な夫には効果がありますが
    やはりきついやり方です。

    問題は,こうした場合,夫は,必ずや牙を剥いて猛反撃に出てくることです。
    子どもの面会交流で,妻に強制執行を仕掛けたりする例が増えたのも,
    夫の給与差押えが頻繁になされるようになった時期とほぼ重なっています。

    昔は婚姻費用の強制執行も少ない一方,
    夫は面会交流を求めたり,ましてその強制執行を求めたりはしてきませんでしたが,
    今は両方とも増加しています。


【やはり離婚原因の有無】
日弁連の基準には魅力を感じつつも,
やはり,離婚原因を素速く検討して,
例えば,別居して家庭を捨てた夫に,離婚原因がある時には,
思い切って増額する,というやり方がよいと思います。

反対に妻に離婚原因がある時,子どもの養育費部分について切り下げる訳にはいかないにしても,少なくとも夫に離婚原因がある場合に比べて見劣りしてもある種仕方がない。

今の基準は,夫に責任があろうが,妻に責任があろうが,最大で月2万円の差異までしか設けられない。
むしろ実際の運用は,離婚原因はほとんど関係なく,一律に決めることが多すぎるくらい。

    婚姻費用を求める,子どもを持つ妻側に離婚原因がなく,夫にある時,
    夫は,離婚請求は理論上出来ないわけなので,
    ということは,元々の家庭を維持尊重する義務があることになるはず。

    妻に離婚原因がないのに,夫の身勝手でただ離婚したいから出て行く,生活費は微々たるもの,
    では,家庭は壊されてしまう。
    妻に離婚原因がないなら,夫は,家庭を壊さない注意義務があることになるから,婚姻費用は増額してよいはず。

    反対に,妻に離婚原因がある時,妻が子どもを世話している時は,悩ましいが,
    少なくとも今の婚姻費用基準から大幅に増やす必要もないかもしれない。
    (見直しは常に必要だが)
    なぜなら,妻は家庭を護る義務を尽くさず,夫婦や家庭を壊す行為をしたに等しいのであるから,婚姻費用が増えないとしても,仕方がない。

このような組み立てにしておけば,
結婚したくない男性が,これ以上増えることには必ずしもならないと思います。
男性にとって自分が悪くなくても,大変な継続的な責任を負わされるとなると,どうしても結婚を躊躇するのでは?


【最後は家庭保護】
最後は家庭保護です。

ただ闇雲に,増額させることにばかり目が向き,
結局夫婦間の争い事を徒らに増やすことになるとしたら,それは疑問です。
(強制執行の打ち合い等の泥仕合)

婚姻費用は,そもそも家庭を維持するためにあることを忘れては困ると思います。

家庭を護るのが婚姻費用であるなら,
夫婦関係や家庭を破壊する原因を作った配偶者は,
それが夫であれ,妻であれ,
婚姻費用を求められる側であれ,求める側であれ
一定の責任や厳しさが伴うのは当然かと思います。

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