1528 最高裁NHK判決:集金人には払う必要なし・受信できないテレビなら契約成立なし(過去分は別)。

NHK受信料は,素人の方には,分かりにくいのではないかと思うので,前回に続いて,重ねて説明をします。

最高裁は,受信料契約は,国民との契約(意思表示)が必要だと言います。
しかしその契約の意思表示は,NHKが裁判所にそれを求めれば簡単にできてしまいます(民法414条2項ただし書き)
裁判に提訴された場合,幾ら国民が嫌だ嫌だと逃げまとっても契約は成立します。

    ここで言えるのは,受信料契約をしたくない国民は,世間をお騒がせしているあこぎな集金人に対して,応対する必要がないことです。
    契約拒否者の場合,裁判に訴えて初めて契約が成立するのです。

ただ,いずれにせよ,裁判所に提訴されたら,契約は成立してしまうのです。

しかもその場合,受像機を買った時からの分を支払わねばなりません。

    例えば,5年前にテレビを買って,5年間支払を免れていた方は,NHKに提訴されると,5年分の受信料を一度に支払う必要があることになります。

    一度に来るのはきついですよね。
    2720×6×5年=8万1600円


【受信できない受像機なら,契約は不能】
しかし,一縷の望みはないわけではありません。

それは,NHKを受信できないテレビを作ったり,そう改造したテレビを買えば,
契約は成立しないことになることです。

たとい,NHKが国民を裁判所に訴えて,契約の意思表示に代わる裁判(民法414条2項ただし書き)を求めても,その契約の対象そのものが存在しないことになり,契約は成立しないのです。
これを法律の専門用語で,「契約の不能」と言います。

テレビを持っていない人に対して,NHKが裁判所に提訴できないのは,
①テレビを持たないからという放送法上の理由のほか,
②仮に意思表示に代わる裁判を求めても,契約が不能だからという理由もあります。

ということは,テレビを持っていても,そもそも絶対にNHKが映らない仕様であるならば,幾ら契約の意思表示に代わる裁判(民法414条2項ただし書き)を求めても,理論上,請求棄却になるはずです。

要は,そのような改造業者がいればよいことになります。
ナショナルのお店を廃業した腕利きの電気技師らが商売のネタにしてもよいかもしれません。


【要注意事項】
もっとも,前段の話が完全に通用するのは,
例えば大学生になって初めて下宿をするにあたり,絶対にNHKが映らないように改造されたテレビを手に入れた場合です。

過去に5年も普通のテレビを持っていた場合に,提訴されたから裁判開始前に廃棄したり,改造テレビに変えた場合は結局だめです。

    この場合でも,裁判所は,意思表示に代わる裁判をしなくなるはずです。
    判決当時テレビがなくなるなどしているので,契約の対象がないことになるからです。

    しかし,テレビを捨てる前に5年持っていた方の場合は,
    「もし裁判前に捨てるなどしなければ,本来契約が成立し,5年分の受信料を請求できたはずだ」という理由で,不当利得請求訴訟が起こせてしまいます。
    その額は,5年分の受信料相当額になるので,契約してもしなくても過去の分については同じことです。

    ただ,映るテレビを捨てて,かつ最後まで映るテレビを再購入しなければ,という前提で
    将来分については契約は成立しないので支払義務が発生しないというだけです。


【NHKも敗訴したというが。。。】
今回の最高裁判決は,NHKも敗訴していると豪語する方もいるのですが,
集金人撃退の点を除けば,そんな風には,私は思えません。

なんだかんだ,最低でも5年分の受信料(相当額)の支払いを一括でさせられる危険は結構あると思います。→後注2)

せいぜい,本当にNHKを見たくないとの気骨ある方で,
現にテレビを捨てたり,せめて絶対に映らないように改造したテレビを用いれば,
将来分については払わないで済む,という程度です。

半歩は前進したかもしれませんが,最高裁の判決では,まだまだ不十分です。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中