1478 家事調停の意義・・・・泥仕合による家族の長期疲弊を防ぐ

専門家もいない,ただ双方から聞くだけのように見える家事調停
・・・・如何にも頼りない感じがすると思います。

    とりわけ,家事紛争の前哨戦である婚姻費用なんかは,
    何でこんなに時間がかかるのかという感じになると思います。

    婚姻費用のほかにも,様々な紛争が控えており,
    その中で最初に出てくるのが婚姻費用の問題ですから
    この解決が遅いと,別の問題をこじらせる原因にもなります。

しかし,(婚姻費用はさておき)
そんな家事調停には大事な機能があります。

それは,円満調停の機能です。


【家事裁判の変遷と激化】
家事裁判は,私が学生のころは,その大半はまだのんきなものだったと思います(第一時代)
明治生まれ・大正生まれが調停委員をやっていたことや
当時は旧法下で「家庭平和」とか「片面的職権主義」(家庭維持の方向に限り裁判所が職権で判断できる)があったこともあって,
妻に対し「もう少し我慢したら」という指示が案外多かったと思います。

次は,女性の目覚め時代で(第二時代)
先の明治大正生まれの調停委員の発想は古いと言われた時代。
女性の言い分がどんどん通るようになりました。
離婚訴訟では,すべての項目について,全面勝利とか。
イクメンなんてのはなく,男は忙しく外で働いていて,家庭のことはおろそかだった時代なので,「家庭の問題を審理する以上女性が負けるはずがない」?と思えた程でした。
しかも弁護士を付けるのは女性で,男性はむしろずっと少なかった印象です。
前時代からの男性優位の扱い?の反動(男性があぐらをかいていた酬い)かもしれません。

その次は,少子化時代と,男性の家事分担の促進の時代(第三時代)
イクメンの言葉に象徴される男性の家事関与が尊ばれる時代です。
すると紛争になると男性が子どもの親権をとりたがったり,強く面会を求めるようになりました。
またこの時代は,男性が様々な知恵を付け,対策に段々乗り出すようになった時代です。
女性のみならず男性にも弁護士が就く時代です。
この時代は,女性が思うように勝てなくなりました。
男性が悪知恵を使ってのモラルハラスメントが登場したのもこの時代です。
また男性は,子どもの面会が叶わないと,酷いことをしてきたりすることもでてきました。


【家事問題の双面性と相互依存性】
以前家事問題は,割り切れない要素が絡み合っていると言いました。
夫婦家族の問題ですので,必ず光と陰があり,表と裏があります。
まるでコインの表と裏のように付き従っています。

ですので,コインの表だけ欲しいとは言えないように
本質的には良いとこどりができない・・・・それが家事事件なのです。

それが中々表沙汰にならなかったのは,
女性が一方的に我慢を強いられていたり(第一時代)
逆に男性が一歩手続的に負け(譲歩)を強いられていた(第二時代)からです。

第三の時代は,男女ともに権利主張が強くなり,それなりに勉強してくる,弁護士も用意して対策も立ててくる中で,一方的に大勝ちすることがむしろ難しいわけです。

しかも家事の本質として,将来も継続的な関わりが必要です。
相手方を徹底的にやっつけてしまえば終わりではないのです。
そのやっつけたい相手方から今後も協力を求めなければならないのです。


【泥仕合化】
そうであるにもかかわらず,一方的な大勝ちを収めようとするとどうなるか
・・・・そうです。泥仕合となり,それが永く続くことになります。

可愛さ余って憎さ百倍といいますか
もはや「やられたらやり返す」という骨肉の争いにも発展します。

双方が不幸になります。否,家族全員が疲弊し尽くします。
家庭内は暗いです。


【家事調停の真骨頂は円満調停をめざせること】
家事調停は,そうしたお互いが一方的な大勝ちを急ぐことの弊害を理解した上で,時間を掛けて相互の調整をしていくものです。

難しい問題であればあるほど,割り切れない問題であればあるほど,時間を掛けて調整するしかないことは現にあります。

しかし時間はかかっても,よい解決策が見つかることはあります。

一見頼りなさげに見える家事調停の真骨頂は円満調停による解決を探れる点にあります。

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