1430 破産再生では,ローン残のある車は結局いつ返したらよいか

個人再生事件と所有権留保付き車両の返還について
個人再生を申し立てたい依頼者が,ローンで車を乗っていたとした場合
破産や再生等になると,車は引き上げられてしまいます。
・・・・民事再生でも?って思うかもしれませんが,
  これも話すと長くなるので辞めますが
  結論を先に言うと,よほどの特殊事情でもない限り
  車はローン会社に返す必要があります。

  例外は,ちり紙交換屋さんの車とか,
  屋台付きの車で焼き鳥を販売するのを業としている場合くらいでしょうか。
  (車そのものが,営業の中心的な存在である場合)

要するに,所有権留保が付いているので,
破産再生の場合,ローン会社が留保していた所有権に基づいて,車の返還を求めるということです。

破産再生はと言いましたが,
もっと厳密にいうと,
破産再生の申し立てする予定がある旨の通知を事件の依頼を受けた弁護士が,自動車ローン会社に出すと,ローン会社は返還の段取りに入ってきます。

受任通知を弁護士が出した段階で,任意の支払は完全にストップしますから,未だ破産再生の申立てが裁判所に済されていなくても,自動車ローン会社は動き出すというわけです。


【早く返せといきり立つローン会社もいるが】
ところが,困るのは,受任通知を出すと,
その翌日にも電話が掛かってきて,直ぐにでも返せと言ってくる業者がいること。

もちろんいずれは返さなければならないのは分かっていても,
依頼者は車がないと実際生活に困るわけだから,
余り急いでこられても困る。

別の格安中古車を探しに行かねばならないが,直ぐに行けるというわけではない。
何だかんだ仕事にも必要である。


【ちゃんと法律解釈を】
ローン会社にはなるほど,留保所有権をもってはいます。
しかしだからといって,こちらに利用させる契約も現にあったのですから
権利者だからといって,当然にいつでも取り返せるというわけでもない。

ところがこの辺を,ローン会社のくせに理解されていない方もいるようだ。

    つまり,弁護士の受任通知によて債務整理段階に入ったことを理由とする,
    ①利用契約の解約の意思表示を書面でするか,
    もしくは,
    ②同受任通知等で当然に利用契約を解消する条項がある場合には,その効力が発生したことの通知を書面をする
    (これらの場合は受任した弁護士に対してする)
    というのが本来のやり方になります。

    車を返すこと自体は当然としても,その手続としては,
    「解約しますので,その通知をします」
    「解約の条件が成就しましたので通知します。」

    と書面で戴かないといけないわけです。

こういったことは,法律家としては余りに当然ですが
ただ闇雲に急ぐばかりの業者もおり,
ローン会社なのに法律の手続を知らないのかなと,不思議になります。


【ローン会社からの書面通知日から何日間で返すのか】
そうして,ローン会社から,正式の解約等の通知が書面でなされたとします。

その書面通知の到着日から,いつまでに返却すればよいのか

それは契約の文言によります。
「直ちに」とあれば,書面通知から7日から10日以内に
「速やかに」とあれば,同3週間程度内に
「遅滞なく」とあれば,同1,2か月内に
となります。

私ども弁護士も,早くお返したいのは山々です。
ただ他方で,破産再生を控えておりますので,依頼者や私どもが勝手なこと,
つまりはローン会社に迷惑行為等をすることは出来るはずもないので,
そしてもちろん法律や契約は守りますので,
何でもかんでも早く早くと言われると,
正直,依頼者の生活に困ってしまうのです。

出来れば,お手柔らかにお願いしたいものです。

カテゴリー:破産再生弁護士民事裁判

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