1417 法律家志望者1万人割れ(競争率は僅か5倍)!!/粗製濫造の法科大学院は社会悪

私も,司法改革の問題点を繰り返し論じてきましたが
昨年の統計を見ると,何と,法科大学院志望者が1万人を下回っているということです。
合格者も1800人にまで引き下げている。

    法律家志望1万人割れ/競争率は僅か5倍に

    引用元:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/250421.html

私らロートル弁護士が,司法試験の受験したその昔は,合格者500人でしたが
受験者数は2万人から3万人でしたから(競争率は約50倍)
500人時の受験者数の2万人すら遂に下回ったかと思うと,実に感慨深いものがあります
競争率に引き直すとわずか5倍ということでしょうか。

このデータをみるだけで,司法改革は完全に失敗したと言えます。

競争率がたったの5倍で,言っては悪いが誰でも受かるなら,優秀な人材は出てきません。
つまり国民にとって安心安全な弁護士供給という趣旨に反します。


【心配なのは教育体制】
最近弁護士事務所には,しきりに
「新合格者を就職させてくれませんか」
の案内が,弁護士会から来ます。

弁護士の数がかつての3倍増になったのに全国の事件数は減っているのですから
どこの事務所も困窮しつつあり,新規採用をする余裕がありません。

競争が低くて新合格者のレベルが高くないだけでなく,
そもそも教育機関がない,教育の機会がないのが最も困りものです。

    例えば,早い話,裁判官は少なくとも10年間は,一人前とは看做されず
    みっちり先輩裁判官2名からの指導を受けます。

    弁護士だって,かつては5年程度はベテラン弁護士事務所で鍛えられました。

実務経験のない新米が,いきなり独立しても仕事は来ません。
困ったことです。

なお,日弁連等には,eラーニング等が完備していますが
よほど,真面目でないと長続きしないと思いますし,
耳学問ではやはりだめで,実際の事件を通しての研鑽が何よりも大事です。
その実地訓練の場がないのは,やはり致命的です。

裁判所と弁護士の通算で30年近くやっていて,
未だに感じるのは,事実は小説よりも奇なりです。

また,法律の条文を,具体的場面でどう生かすかの応用が大事なことです。
「この条文は,こんな時に使える,こんな時のための法文だったのだな」
と感心させられることは今でもあるのです。

にもかかわらず,新米でありながら実地訓練の場が少ないと,その経験がなく,成長しにくいわけです。


【余裕がないと,重大案件にも関われない】
かつては,弁護士には余裕がありましたので,
公害問題等の深刻な問題であっても,全力で戦いました。

しかし今のように,誰もが経済的余力がなくなると,
前記のように社会正義を貫きたくても,貫けません。
一つの難件に長いこと専念していると事務所が潰れるからです。

以前なら,2,3年かかって,結局1円にもならない仕事も出来ました。
他の収益やイソ弁に経営を任せて,自分は社会正義のために2,3年その事件にかかりきりになることもできました。

今はむりです。

結局,社会的にも損失だと思います。


【間違いは改めるに若かず】
小泉は,グローバル資本家たる米国のとある勢力のポチでした。
彼のやったことは,今では,全部間違いだと言われています。

司法改革の導入時には,実は,かの悪名高き人権擁護法案を用意していました。
これによれば,令状なく,普通の公務員が,問題ありと言われた人を強制捜査等できる,すさまじい悪制度です。
しかもこれだと,益々弁護士の出る出番がなくなるのです。
これだけは,今の安倍総理や中川昭一さんら国士が反対して実現しませんでした。

このように,小泉は,①合格者激増,②高額な法科大学院,③仕事の頑張りに絶対に見合わない法テラスの報酬制度を拵えた上,更に④人権擁護法の成立をまで意図していました。

小泉の意図は,米国の勢力の言うがままに,弁護士・弁護士会潰しだったと思われます。

もしも①合格者増加だけなら,まだ理解できないではありません。
・・・・自由主義・自由化という意味で。

    ③の法テラス自体は間違いでないとしても,価格の低廉固定は自由主義と矛盾します。
    自由主義とは,競争も自由かもしれないが,価格設定も自由という意味だからです。
    自由競争なのに価格固定は無いわけです。

    っていうか,弁護士の数が増えていけば,少しずつ価格は安くなることも当然あるのだから,レッセフェールに任せれば良いだけのことです。

    しかもいずれにせよ②の法科大学院は有害無益の産物です。
    〈参入制限であるので,自由主義にも矛盾〉

このように,①だけならまだしも,②も③も(そして④も)やるとしたら,弁護士が困窮化するに決まっています。

国賊だと私は思います。


【提言・・・・競争率を20倍に保つ】
私は,可能かどうかは分かりませんが,
競争率を20倍は保つべきだと思います。

すると1万人の志望者であれば500人です。
2万人の志望者なら1000人合格です。

しかも,それでも学部を維持しなければならないとしたら,せめて最低でも,奨学金等を完備したりする工夫が必要になります。

今よりは少しは改善されるのではないか。

    大事なことは,大学の学部維持のために,制度を見るのではなく
    社会の弁護士ニーズこそが重要です。

    社会のニーズは優秀で安心感ある弁護士です。
    全然優秀でもないのに,学部の都合で粗製濫造して,どんどん世に送り出されても困ります。

    競争率を維持するのは社会の安心安全のためであり,だからこそ,それを阻むかの法科大学院は,存在として悪だと言わざるを得ないのです。

なお,1418のブログもご参照〈リンク有〉

カテゴリー:立憲主義司法制度司法改革

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