1334 貸金の立証問題2 要物性立証とカードローン名義貸し 闇金でないのに闇に潜る

いつも,政治ネタばかり書いているので,あきれる方も多いかもしれませんが,
前回と今回は,法律の話題です。

前回も言いましたとおり,たかが貸金,されど貸金
法律家にとっても,初歩的と思われながら,実は実は大変頭を悩ます問題です。


【お金を交付した立証ができない】
前回の例は,返済したときの立証資料の問題でしたが,
実は貸す方も,お金を渡した立証資料の準備を怠ることが多い。

手持ちの資金と称して,かつそれを手渡しで貸すので,
渡したという立証ができない。

裁判では中々大変だと思います。

すると,いきおい,オラオラ!状態,つまり自力救済連発,モラル・ハラスメント連発で,どんどん地下に潜っていくでしょう。

ベニスの商人は実は何処にでもいるのです。
こうやって地下に潜るので分からないだけです。


【カードローンの名義貸しにおける金銭交付の立証は?】
普通の貸金は,貸した側が,金銭を○○万円現に「交付」したという,金銭交付の証明をしなければなりません。

それでは,カードローンの名義貸しはどうなるでしょうか。

お金を貸す相手にカードを渡すやりかたで貸してさし上げる場合です。
借り主は他人名義のカードを用いてローン会社からお金を引き出すのです。

その場合,「貸主」は,少なくともいつカードを渡したのか,
場合によってはいつからいつまで渡していたのかを証明しなければならないでしょう。
カードの貸渡し行為そのものが,「お金の交付」に結びつくかという議論もあり得ますが,それはひとまず置いて考えます。

渡す時期や期間によっては,別の者によるローン会社への借入行為が介在して,要するにお金が現に「借り主」に行き渡っていない可能性が出てくるはずです。
カードを渡していたから,カードによるローンについて,その総てが当然に貸主がお金を融通したことになるかは,やはり無理があります。

    普通に考えて,カードを貸しっぱなしにすることの方が貸主には危険なわけです。カードの借り主が,借りたままのカードを使って随時金融を得る方が実は不思議な事態です。
    むしろ,カードは「貸主」が厳格に管理して,お金の要望があった時だけ,一緒にローン会社から引き出して金銭を渡すという方が自然です。

    またもしこの推論が正しいとすると,例えば5万円を一緒に行って引き出したとして,5万円をそっくりそのまま「借り主」に渡したとの立証はどうやってできるというのでしょうか。
    1枚,2枚抜いてから渡しておきながら,それでも5万円貸したと言い張るのはよく知られた例です。

結局,裁判では,貸主側が負ける方が多くなるのではないか。

自分で借りて飲み食いしておいて,それをも借り主に貸したことにして,借りていないものまで返済させるということはできるはずがないのです。

でも,そうなると,またもや地下に潜るかもしれませんね。
多勢に無勢方式は,この場面でも健在かもしれません。


【裁判は貸主には無用の長物?】
裁判は厳しいものです。
貸金の裁判は,しんどいです。

ただ裁判が借り主に有利であれば,むしろ地下に潜らせるのは貸主の方かもしれません。
ベニスの商人は,今もいます。

いずれにせよ,債務整理,破産再生手続は必要不可欠です。

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