1161 強制わいせつか,単なる暴行傷害かは意外に難しい。羞恥した被害者の視点を。

強姦か,強制わいせつかの区別は,比較的楽なことかもしれません。
強姦(未遂)は,性器を挿入した(しようとした)場合であり,
強制わいせつは,それがない場合の,性的な行為ですので,区別は簡単です。

ところが,強制わいせつか,単なる暴行傷害かの区別は,実はややっこしい問題であり,多くの人を悩ませてきた古くて新しい問題です。

    日本にはありませんでしたが,欧米は,野蛮なので奴隷制度がありました。
    米民主党は,奴隷制の推進をしていたためにそれで共和党と激突したほどです。

    奴隷の主人は,気分や自己の意に沿わないと,奴隷をムチで打ちました。
    時には,女性の奴隷を裸にしてムチを打つこともあったでしょう。

    この場合男性の主人が女性の奴隷を裸にしたら,直ちに強制わいせつかというと
    必ずしもそうではないのです。

    顔を殴れば,暴行傷害ですが,裸の乳房を殴ったらどうでしょうか。
    囚われた奴隷の髪の毛をひっつかんだら暴行傷害ですが,裸の乳房に対してならどうでしょう。

    これら後者が暴行傷害に当たることは確実ですが,強制わいせつかというとどうでしょう。
    強制わいせつになるときとは,自らの性的な興奮を満足させる目的があった場合に限られます。
    体罰等目的のみの場合,暴行傷害だけしか成立しないことがあるのです。

    だから,裸の乳房を殴った場合,暴行傷害のみになる場合と,同時に強制わいせつにもなる場合と二種類があることになります。

    ややこしい話です。

    逆に例えば,これまた西欧の悪習慣だった魔女狩りは,せっかんという名を取りますが,
    神父牧師の性的満足を得るために,ちまたの女性に勝手に魔女の嫌疑をかけるのですから,わいせつそのものです。
    単なる暴行傷害では済みません。当然です。


【強姦事例とわいせつ目的】
なお,強姦の場合も,もちろんわいせつの目的が必要なはずですが,
性器を挿入させようとする行為自体に,(未遂でも)わいせつ性が顕著ですので,疑いの余地がなく,全く問題になり得ません。
酒に酔っていて「立たない」場合も強姦未遂にはなります。

驚くことに,その限りでは強姦ないし強姦未遂の認定の方がはるかにたやすいのです。


【意外に微妙な例は多いかもしれない】
このように,強姦をしかかる行動ならば,誰の目にもわいせつ目的の認定は簡単ですが,
強制わいせつと暴行傷害の区別はなかなか大変な場合があるようです。

行動だけでは判別できない難しさがあるのです。

早い話,お酒を多く飲んでいたため,「たっていない時」における行為の場合
その犯罪認定は,,挿入を試みるという分かりやすい行動がないのですから,
暴行傷害等の別犯罪にとどまるのかどうか,中々難しいこともあるようです。


【被害者の視点が欠落しているという問題】
こうした問題は,要するに,被害者の視点が欠落して,条文解釈のみに拘泥してきた刑法学者や内閣法制局がいけないのだと思います。

行為者の主観(暴行傷害のみの意図か,それとも性的興奮をも目的としていたか)ではなく,
とにかく被害者が性的羞恥心を受けさえすれば,性的虐待罪(仮称)となるとしておけばよいのです。
被害者の視点から見た新しい犯罪を創設しておくべきです。

酒を飲んでいたため立たなかった(性的目的はない)で通ってしまうかもしれない法体系は問題でしょう。
議論が下らなさすぎです。

しかもこれを避けようとして,無理矢理,法的構成が楽な強姦罪に格上げするのも問題です。

こうしてみてくると,日本の内閣法制局も大したことはないですね。

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