1071 生活保護受給者は強制執行を受けない。ただ負債整理は結局必要

生活保護法には,生活保護者の負債については,明確に規定があります。

第58条
 被保護者は,既に給与を受けた保護金品又はこれを受ける権利を差し押えられることがない。

要は,多重債務者の駆け込み寺というべきものになっているのでしょうか。


【実際の運用は,そう簡単には生活保護は受けられない】
ただ,逆に言えば,強制執行がなくなる結果(その間は)負債を払わなくても良いということは,
負債があるから生活が苦しいという理由では生活保護は受けられないということになります。

例えば,分かりやすい例でいうと,月30万円の給与のある方が,多重債務者になり,1000万円のサラ金の借財があるとする。
毎月25万円も払っているので生活できないとして保護申請をしたとします。
でも,この場合は,生活保護は受けられない。

生活保護は借金の支払いを前提としていないから,そのまま30万円の収入があることになる。
結局,どうなるか,というと,「債務整理をしてから来て下さい」として追い返される。
(この方の場合は,債務整理をしてもう一度行くと正式に拒否される。)

結局,前記駆け込み寺としての利用は困難。。。

    すると,弁護士等の出番というわけ?
    弁護士会も,申請予定者に対して,(まずは)負債整理をさせなさいと指導している。


【病気等で必ずしも働けない場合は】
ただ,多重債務と同時に,健康に問題があり,中々働けないという方はどうか。
健康問題をきっちり証明できれば,生活保護の道は開けるでしょう。

ただ,この場合でも,弁護士等を通して,同時並行で負債整理をして下さいと言われると思います。

    問題となるのは診断をする医師にもいい加減な人間がいること。

    たかだか20年前ころの交通事故の例では,被害者が,自分の気に入った診断を貰えるまでいくらでも病院を変える例が多く見られました。
    自分の言うとおりに診断書を書いてくれる医師が見つかると,そこで提訴するわけ。
    もちろん,保険会社は猛反発しますし,裁判所も欺されませんので,
    幾ら病院を変えても真に合理的に必要な治療でないと,損害賠償は認めませんでした。

    生活保護で問題になった事例の中には,そうした例もかつてはあったのかもしれませんね。
    (かつては,議員さんが連れてきたと聞きますので,モシカシテダケド生活保護課の職員は,いい加減な診断書であっても,おかしな議員に押し切られたかもしれませんね。)

    ただ,今やこれだけ生活保護受給者の問題点を指摘されると,
    市役所等も,医師の診断については,厳格に審査するのではないか。

    今後とも,医療審査がより厳しくはなっても,緩くはならないでしょう。
    (定期的に,指定病院等での診断書を求められるとか。)


【就労支援も規定された】
また,仮に生活保護に入ってしまっても,今や就労支援があるので,
働けるようになったのに働かないと打ち切りの方向に流れるようです。

すると,サラ金は再び追いかけることができますので,結局負債整理を必要とします。


【強制執行はできないが,提訴自体や取立は可能】
生活保護法は,受給者への支給物に強制執行はできないとしているだけです。

裁判に訴えて確定判決を取ることは全然可能です。逃げおせるものではないということです。
(これに加えて,一般のサラ金業者は普通しないでしょうが,
例えば居住地に毎度毎度押しかけて支払を要請すること自体はできます。
また意地悪な債権者なら,受給者が仮にパチンコに行こうものなら生活保護課に通報するでしょう。)

そうした中にあって,前記就労支援に乗れば,当然に働かねばならないのです。

そのため,結局,負債整理(破産手続等)を早めにしておくしかないのではないか。
(弁護士会は,前記規定を鵜呑みにせず,先々までよく考えているなぁと,今更に思いました。)

生活保護は,少なくとも今後は,そう簡単に考えてもらっては困るということです。

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