1064 不動産売買契約書の署名は,売主買主で同日にしなければ気が済まない不動産屋

私ら弁護士にとって,不思議だなと思うのは,
不動産売買の仲介を不動産屋に依頼した時です。

契約書の署名日を同一日に揃えようとして,
売主と買主の都合が良い同じ日をとにかく選ぼうとするのです。
めんどくさいったらありゃしない。

日付だけは絶対と思っているのかもしれません。
別の場所にいる売主と買主の元に,不動産屋が,行来して調印をもらう,なんてことを必死でやっています。

    そこまできっちりやりたいなら,いっそのこと,売主買主双方の立会の下で一斉のせいで,署名押印すれば良いが,そこまでは全然しない。

    みなさんも,経験があると思いますが,
    不動産賃貸契約の調印の場合,大家さんはみなさんの前には出てきませんよね。

    そうしないのは,別に,同じ場所に雁首揃える必要もないということだからですよね。


【契約日を先日付にしたり,逆に遡らせることも可能】
契約書のサインには,売主買主が一堂に会する必要がないのはもちろん,
同じ日にサインする必要はない。

もし別別の日にサインしたときは,遅い方のサイン時に成立したとみたらよいかもしれない。

しかし,むしろ,先日付で契約書にサインしてはいけないということはないし,
逆に,(遅れてサインした方が),過去の日に遡って意思表示をしたものとしてサインすることも可能だ。

売買契約の効力発生をいつからにするか,も可能なのだ。

    もっと原理的な言い方をすれば,契約書が作成されなくとも,双方の口頭の意思表示でも売買契約自体は成立してしまう。

もしお金を払ってくれる買主の立場を尊重したいのなら,買主が希望する日に合わせたら良い。売主の署名日がずれても,だ。
実際マンション賃貸の契約は,借り主重視・優先の傾向が強いのではないか。


【登記の方が重要かも】
1人の売主に対して,複数の買主が競合したような場合,
契約日の先後ではなく,登記の先後で優劣が決まる。
いちばん早く登記を得た買主が勝つのです。

だからその意味でも契約日をひたすら重視しても,意味はないと思います。

しかも契約で最も重要な代金支払は,前記登記移転時期や不動産の現実の引渡とリンクしていることが多いのです。
契約成立日は,その意味でもあまり重要性を持ちません。


【契約内容を慎重にするのはともかく,契約調印日は】
いずれにせよ,契約内容を徹底吟味検証するならまだしも,
契約調印日という両当事者の署名日が,必ず同じ日のうちにしなければならないというのは,トーシロの発想だと思います。
日本人らしいといえば,そうですが,
喩えて言うなら,過剰包装の類,要するにムダ。

不動産屋にもズブの素人はいるんですね。
法律の素人が。。結構な大手不動産会社でも。

    ちなみに,これも形式面の問題ですが,
    例えば,相続不動産の売却の場合等,僅かでも複雑になると,
    当事者の表記すらろくに書けないトーシロの不動産会社従業員もいて困りものです。

    こんなのこそ,むしろ書き方マニュアルとか,アンチョコ本とか,大手なら,探せば社内に必ずあるはずですが。。。。

    っていうか,社内研修とかでも,当事者欄の書き方くらい習いませんか?
    そもそも登記簿を見たら,ヒントがあるでしょうに。

    不動産会社の場合,専門家である宅建有資格者は,別の部署にいるのかもしれませんが,
    だからといって,販売従業員も,基本的な法律のお勉強はしないと,恥ずかしいですよ。

カテゴリー:民事裁判法律相談法律時事

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