1052 不思議な国籍法の規定 まるで二重国籍が問題と思っていないかのよう

村田蓮舫=謝蓮舫二重国籍議員問題で,改めて国籍法の規定を見てみました。
(末尾ご参照)

問題はいくつもあるでしょう。
例えば,そもそも15条の催告をきちんとしているかどうか。案外全然ちゃんとしていないのではないか,があります。

これはひとまずおくとして(きちんと催告されているとして),特に16条,なんですかこれは。


【国籍法16条は如何にも変】
16条は,1項でまず,日本国籍宣言者が他国の国籍を離脱を務めるべきだと抽象的な努力義務を課すのみ。
そして2項3項で,二重国籍が公務員になった場合で,しかも特に問題が著しい場合には,日本国籍喪失ができると,しかもその手続は公開の手続で,当人に告知聴聞の手続をしなければならないとしている。

    まるで,二重国籍があるのは自然のことであって,特に極々例外的な場合に,厳正な手続を経て漸く国籍喪失ができるという,発想がまるっきり逆さまの法律の立て方。
    そもそも16条1項は二重国籍を問題視するからこその規定です。なぜ,2項は,1項の禁止の趣旨を受け継がないのでしょうか。


【努力義務には事情があるというが。】
法律は要件効果をきっちり決めるのが本筋であり,気分や道徳を記載するのではありません。

    この努力義務の規定は,我々法律家も,こんな規定はほとんど見ないので,珍しいです。

    努力義務を設けた趣旨は,例えばブラジルは,他国の国籍を宣言したブラジル人に対して,自国の国籍離脱を認めないといいますし,また亡命した人は,亡命してきた当の国で離脱の手続をとることが困難である等の考慮があったということです。

しかしそんなのは,言い訳に過ぎません。

    普通の規定の仕方はこうです。
    1 日本国籍の選択の宣言をした日本国民は,1年以内に外国の国籍の離脱の手続をしなければならない。
     ただし,ブラジル国籍等別表に掲げる国で,他国の国籍選択の宣言によっても自国の国籍離脱を認めていない国である場合や,離脱すべき対象国が申請人が亡命した国である等,特段の事情がある場合は,この限りではない。
    2 前項ただし書きの場合を除くほか,日本国籍の他に他国の国籍を持つ者は,公務員になることができない。公務員になった場合において,他国の国籍を持つことが判明した時は,後記ただし書きの場合を除き,公務員は当然に失職する。
     ただし,申請人の申請により日本国籍を取得した趣旨に反するとはいえないとの立証がなされた場合には,法務大臣は,特に二重国籍を許可することができる。
    3 前項ただし書きの手続は,公開の手続を経なければならない。
    4 第2項ただし書きの認容の裁決がなされた場合には,これを官報に告示しなければならない。
    5 第2項の宣告を受けた者は,前項の告示の日に日本の国籍を失う。

二重国籍であっても日本国益を害しない旨の証明は,申請人がしなければならないはずです。
国籍法は,この点がまるでだめです。


【超弩級のアマアマの国籍法の二重国籍規定】

第13条
1 外国の国籍を有する日本国民は,法務大臣に届け出ることによって,日本の国籍を離脱することができる。
2 前項の規定による届出をした者は,その届出の時に日本の国籍を失う。

 (国籍の選択)
第14条
1 外国の国籍を有する日本国民は,外国及び日本の国籍を有することとなった時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに,その時が20歳に達した後であるときはその時から二年以内に,いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は,外国の国籍を離脱することによるほかは,戸籍法の定めるところにより,日本の国籍を選択し,かつ,外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによってする。

第15条
1 法務大臣は,外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して,書面により,国籍の選択をすべきことを催告することができる。
2 前項に規定する催告は,これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によってすることができないやむを得ない事情があるときは,催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は,官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。
3 前二項の規定による催告を受けた者は,催告を受けた日から1月以内に日本の国籍の選択をしなければ,その期間が経過した時に日本の国籍を失う。
 ただし,その者が天災その他その責めに帰することができない事由によってその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において,その選択をすることができるに至った時から二週間以内にこれをしたときは,この限りでない。

第16条
1 (日本国籍の)選択の宣言をした日本国民は,外国の国籍の離脱に努めなければならない。
2 法務大臣は,日本国籍の)選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失っていないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であっても就任することができる職を除く。)に就任した場合において,その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは,その者に対し日本の国籍の喪失の宣告をすることができる。
3 前項の宣告に係る聴聞の期日における審理は,公開により行わなければならない。
4 第二項の宣告は,官報に告示してしなければならない。
5 第二項の宣告を受けた者は,前項の告示の日に日本の国籍を失う。

このように,16条だけをとっても,法務省はド怠慢を決め込んでいるようです。
普通にはあり得ない超アバウトな規定でもって仕事を増やさないことを目指しているようにしか思えません。

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