1051 ガレージだけ値上げ,拒否すれば出てけと言う悪徳家主

世の中には小狡い家主がいるようです。
例えばこんな例がありました。

    6万円のアパート賃貸契約に駐車場8000円の契約を一括して契約
    2年契約,あとは自動更新

    ところが近隣の駐車場で17000円のが出てきた。

    それを見た大家は,「損した!」と思い,
    8000円の契約があるにもかかわらず,「15000円に値上げしろ」
    「呑まないと,家もガレージも出てけとのたまう。
    →後注)

    もちろん,借り主は,アパートの賃料も,ガレージ賃料も一度も滞納したことはない。
    しかも他方,大家は,アパートについての値上げは一度も言っていないのです。


【アパート契約は解除できない】
まずアパート契約については,家主は解除できません。追い出せません。

借り主は,契約どおりの賃料を支払っていますから,少なくともアパートを追い出される理由は2万パーセントありません。

しかもアパート契約解除には,正当事由が必要ですが,ガレージの値上げに賛成しないからなどという理由では絶対に正当事由にはなりません。
契約に反することを言っているのはむしろ大家の方です。


【ガレージ契約の更新拒絶は?】
ただ,ガレージについては,それ自体としてみるかぎり,借地借家法の対象外になります。

しかも,契約が2年間となれば,少なくとも更新時には更新拒絶が可能です。
つまり,値上げに応じないときは,再契約には応じないということも理論的には不可能ではないかもしれない。

おそらく,家主は,この点をぐいぐい突いてくるのだと思います。
「値上げがいやなら,更新はしない。駐車場を返してもらう」
という嫌がらせをかけて,値上げ合意に持って行く手口です。

今は車等は生活に必須ですので,駐車場を追い出されると困ります。
また駐車場には,生活物品が置けるようになっている場合だってないではない。生活と密接だ。


【民法87条の類推適用で対抗すべし】
こういう姑息な家主に対しては,民法87条で対抗すべきです。

    大家にといっても,実際は,アパマン管理業者の,しかもその中でも宅建有資格者と直接法律交渉して下さい。アパマンの事務員は法律の素人なので,話しても無駄です。
    大家は素人の上に,頭が固いので言い合いになるだけです。

民法87条2項は,「従物は、主物の処分に従う。」となっています。

これは物についての規定ですが,権利や契約に読み替えることができます。
「従たる権利(契約)は,主たる権利(契約)の処分(方法)に従う。」と読み替えます。

するとどうです。
アパート契約は主たる契約,ガレージ契約は従たる契約です。

「ガレージ契約は,アパート契約の処理方法に従う」ことになるはずでは?
要するに,アパート契約は,正当事由がない結果,つまり更新拒絶が事実上許されない結果として,
ガレージ契約もアパート契約と運命を供にする
と読めます。


【本来家主は賃料増額訴訟を提起しなければならない】
更新拒絶の便法はともかく,
本来の賃貸借契約における賃料の途中からの増額は,家主において,賃料増額訴訟を提起しなければなりません。
しかも訴訟で家賃が,他の近隣と比べて著しく見劣りする等を家主が立証しなければなりません。
→後注2)

姑息な手段は使うべきではないと私は思います。

まずは民法87条で対抗してみて下さい。
あと,契約書とは違うことをしている場合もありますので,どんな細かいことでも併せて取り上げて,不動産業者の宅建資格のある専門家と議論して下さい。


    後注)後注2)
    なお,ガレージ代を単体みれば,8000円は近隣と比べて安いということがあるかもしれません。

    しかし本件は,借家も同時に契約していますので,その意味で,本当に安いかどうかは一応疑義があり,検証の必要もあります。

カテゴリー:借地借家弁護士

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