991 生活保護:昭和29年厚生省局長通知を擁護する佐藤幸治憲法学者は,長田区役所襲撃事件等の背景を伝えない。

佐藤幸治先生っていう憲法学者は有名で,
私達弁護士が司法試験に合格するために,その著書を
それこそ20回以上も通読した程です。
通読で20回というと部分的には軽く50回以上読んでいます。

しかし,彼は,全著述の中で,憲法理論上例外中の例外事例に当たると思われる
外国人生活保護問題について,いとも簡単にあっさりと
厚生省の社会局長通知一本を全面的に擁護してはばからないのです。

    御著書の理論体系における例外というのは,以下の記載からいえることです。
    1 人権では,自由権が基本であり,社会権は例外であること
    (佐藤幸治先生は,両者を混同してはならないと口を酸っぱくして述べる。)
    2 人権は,日本国民の保護が原則であり,外国人はむしろ例外であること
    3 生存権は日本人のためにあり,外国人は保障されていないこと
    4 (3は仮にさておき)生存権拡充には憲法論としても立法措置が必要であるが,外国人には立法がないこと
    5 立法は,国会が独占しなければならず,行政府への委任は極々例外であること
    6 行政国家化現象を打破して,国会主導でなければならないこと
    等。

    佐藤先生ご自身の著書における理論体系では,こうした考え方を構築されているのです。
    にもかかわらず,外国人の生活保護に関する厚生省局長通知だけは,1から6の全てをすっ飛ばして,絶賛するわけです。
    なお,単なる局長通知です。厚労大臣の通達ですらありません。

    理論的整合性の説明のなさ、論理矛盾の可能性に対する説明のなさ、
    …学者として、本来あるまじき態度ではないのでしょうか。


【佐藤幸治先生は,局長通知の背景を決して述べない】
裁判には,救済事例-救済判例というものがある。

    例えば昔、尊属殺人の規定が存在していたころ,
    余りの極悪非道の父親が,娘を強姦して何人もの子どもを生ませた上,
    その娘に遂に彼氏ができて結婚話が持ち上がると,それを父親がたたきつぶそうとしたので,とうとう堪忍袋の緒が切れた娘が父親を殺害した事例で,
    一審としては苦労に苦労を重ねて刑の減軽を計ろうとしました。
    こうした無理を裁判所がするのは,救済されるべき実態がある例です。

    ただ,この例では,尊属殺の規定は余りに重すぎで減軽するにも限界がありました。
    最終的には最高裁が尊属殺の規定を違憲無効にして,ようやく娘は救われました。

しかし,佐藤幸治先生が尊重した社会局長通知の背景に,この日本で
生活苦でばたばた倒れる可哀想な外国人の姿があったでしょうか。
むしろ真逆で,後記のとおり,闇市でしこたま儲けながら貪欲に,要求していたのが偽らざる姿だったのではないか?

佐藤幸治先生はこの点を一切触れていません。 →後注),後注2)


【局長通知の背景-長田区役所襲撃事件】
局長通知の背景は,長田区役所襲撃事件です。
→ウキペディア:長田区役所襲撃事件

他にも,戦後,通知に至るまで特定外国人が暴れまくっています。
→特定外国人集団暴徒化事件
社会局長通知までに80件もの特定外国人による集団暴徒化事件が発生しています。

もう1つ,
第13回国会 行政監察特別委員会 第19号の審議,昭和27年4月22日(火曜日) 午前11時14分の開議をみて下さい。

    ○田渕委員 ・・・・少くとも私が伺いたいのは,あなたの管内にいるところの3万人の朝鮮人のうちで,生活保護法の適用を受けている者がどのくらいあるという情報をおとりでありますか。おわかりでありましたならば,その数字を統計的にお知らせ願いたい。
    ○梶川証人 生活保護法を受けております者は調査いたしておりますが,かなりの数字に上ったという記憶であります。ちょっと私は資料を持っておりませんが,相当な数に上っております。日本人の比率よりも,朝鮮人の生活保護法の適用を受けている者の方がはるかに多い,しかも北鮮系に多いという統計が出ております。
    ○田渕委員 われわれは京都で調査いたしましたが,たとえばウトロ部隊というものがある。これは警察の調査で行くと400人,市役所の調査で行くと600人で,そこに相当の食い違いがあるが,朝鮮人というものは,米の配給でも二重三重にとっているからである。これらはほんとうを言うならば米食い虫である。そしてこの大部分が生活保護法で一か月2000円の保護を受けている。しかも脅迫してとっている。これらが密造してやみをしている。職安に行けば職安に行くで仕事をやかましく言う。こういうようなぐあいですが,こういうことはおそらく広島でも相当あるだろうと思う。こういうようなことを考えなければならぬのでありますが,たとえば,生活保護を受けるために脅迫をして無理に生活保護法の証明を書かしているというような点,あるいは,あなた方に脅迫状が来ているというような点,こういうようなことがあったらそれを伺っておきたい。
    ○梶川証人 市役所あるいは町村役場に対するただいま御質問のような強要は相当頻発いたしております。なお脅迫状の点でありますが,具体的には広島検察庁の公安係の検事の所へ数通参っておりますのと,なお警察官方面には二,三ありますが,特審職員に対しては,そういうふうな脅迫状はまだ聞いておりません。
    ○田渕委員 かりに特審局に来ておらなくとも,公安官に対する脅迫状によって,その妻子父母あるいは年寄りといった家族たちに畏怖の念を起さしめていないかどうか,そういう情報は入っておりますか,どうですか。
    ○梶川証人 私どもで実際に体験しましたのは,山口市の駐在官の所に,煉瓦を5つ一斉に投げ込んだという事件でありますが,その事件におきましては,やはり妻子が夜恐ろしくて眠られないという現象が起きておりまして,その点私どもといたしましては,最も重大視しておるのであります。広島におきましても,先ほど申し上げましたが,場合によっては子供を誘拐する,これが番効き目があるだろうというようなことをいって脅迫されておるというような情報もありますが,こういうふうなことは,私どもおそらく世界の歴史にもまれな残酷な行為だろうと思うのであります。私どもとしては,そういうふうな問題を一番重大視しておるものでございます。

こうした背景があるにもかかわらず,,
しかも,昭和56年という戦後36年目の,
政治的には平和で,日本経済も極めて順調だった時期に書かれた佐藤幸治の基本書でなぜ,社会局長通知を絶賛しなければならないのでしょう。
なぜ,改めて立法措置を!と言えないんでしょう,国会の優位・復権を高らかに宣言しているのに。

誠に理解に苦しみます。
昭和12年生まれで,戦後にご自身の多感期を迎えていたからでしょうか。

    少なくとも当時の時代背景はきちんと説明するのが学者のつとめです。
    その上で,
    「その時代背景はさておき」,しかも著述当時の「社会情勢としてはほとんど考えられないが,」などと前置きしつつ,
    「例えば,誰も予想しない突然の社会変化等による緊急事態が発生するなど,立法措置を待たずとも超法規的措置として局長通知が有効と見て良い事例も決してないとはいえない」
    「いずれにせよ,早急な立法措置が待たれる」
    といった厳しい合憲限定解釈を施すべきではなかったか。

    前記教科書・先生のお立場,理論体系からすれば,むしろ例外に相当する案件なのだから,理論的整合性に著しく欠ける問題があると思います。
    ・・・・司法試験の口述試験でこんなちぐはぐな回答をすれば,理論的な矛盾点を突かれて,不合格にされるレベルでは?

司法制度改革の座長,そして最高裁判事にまでなられたんだから,
背景事実をきちんと伝えて下さいよ。きちんと。
社会福祉立法の基礎となりうる事実に相当するのですから。

行政のお役人の判断による「裏口入学」は,一時的な緊急措置は別として,速やかに国会による立法解決がされなければならないはずです。
行政に対する国会優位を強く推進する憲法学者がこれを放置し,その言及すら避ける対応は困ります。


    後注)
    なお,佐藤幸治先生は,紙面の都合をいうかもしれませんが,
    何度も改訂や増補していてそれは通用しません。

    そもそも著書内部における理論的な整合性の問題ですから,紙面の都合では済まされません。


    後注2)
    伝えるべき事実(=立法事実になる可能性すらある重要な社会的事実)を伝えないことは,学生の知る権利を犯す態度でもあると思います。
    学問の自由=教授の自由の逸脱です。


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