901 貸金業法改正後の新問題 多重銀行カードローン問題。総量規制がなく,親族に隠して借入可能

最近のクレジットカードでもそうかもしれませんが,
銀行カードローン等は,借入明細書等が自宅には送られないようになっているとのことです。
→後注)

プライバシーの問題があるとか,ネットで見られるから良いのだとの理屈でしょうが,
伝統的な貸金業法の考え方からすると,実は異端的な取扱です。

あるいは,改正後の貸金業法では金利がぐっと低く抑えられているから,
そうした送付等を簡便化することが,法改正で許容されたのかもしれません。

弁護士からすると,ゆゆしき問題です。

銀行を性善説で考えるのは間違いです。
パナマ文書問題も銀行等が手引きしているのです。


【銀行カードローンの総量規制なしの問題点】
法改正前の所謂サラ金の場合,
例えば限度額が100万円までが当たり前でした。

現に,武富士に対する過払い金等の事件を見ても,全て100万円まででした。
ただ,法改正前は,グレーゾーン金利の問題があり,
金利等を取り過ぎていたために,問題はあったのですが,
100万円枠それ自体は守られていました。

しかし,銀行カードローンは,金利が安いとはいえ,
枠の点では100万円を簡単に超過できます。
最初こそ,50万円までとかに設定されても,これを返済すれば,
「信用度が増した」として枠を例えば150万円等にもできるわけです。

悪名高きサラ金でも,ようしていなかったことなのに。


【多重債務=多重銀行カード債務問題】
そのため,新しい問題が発生しています。
多重的に各貸付枠が広がっていく問題です。

ちょっと荒い説明ですが,例えば,
まずA銀行のカードローンで借入を始めた,最初は50万円の枠だった。
次にB銀行のカードローンで同じく50万円の枠で同額を借り入れた。
Bからの借入金をAに返却した。
A銀行は,無事借金返済がされたので,枠を100万円に広げてくれた。
次にC銀行から50万円の枠で借入れ,B銀行に返済した。
B銀行も借入枠を100万円に広げてくれた。
・・・・(繰り返し)。

こうして,ABCDEF各社の銀行カードローンの枠がいずれも150万円,
総額900万円の借金にもなった。
なんてことが起こりうるワケ。

平成1桁代に大いに問題となっていたサラ金暗黒時代を彷彿とさせる現象です。

しかもその間,明細書等は自宅に送られない措置が可能なので,
親族に知られないまま,

これは本当に問題です。


【銀行との妥協の産物?】
前記1つ1つを別に見れば,一応理屈のつく話かもしれません。
しかし,その3つがあわさると,目も当てられないことになります。
家族に知れないのはやはりゆゆしき問題です。

従来型サラ金と違って,本人に罪悪感も乏しく,なお問題です。
むしろ従来型サラ金以上に問題かもしれません。

私には,
銀行が市場を横取りしただけの話であるのみならず,
従来型のサラ金の劣化コピーとしか映りません。


【返済こそが根本解決では必ずしもない!】
借金問題の解決は,誰かが支払えば,確かに借金は終わります。
その借金については。

しかし,それと本人の立ち直りとは別です。

二度と借金を繰り返さないこと,
それには,家族全員が情報共有をして,隠し事がないような体制作りこそが必要です。

そうでないと,仮に借金が返せても,他方で家庭が壊れ,家族関係が破壊し尽くされることもあります。
→後注2),後注3)


    後注)
    クレジットカードの本質的な問題は,
    クレジットよりもむしろキャッシングです。

    銀行カードローンは,言ってみればキャッシングのみのカードです。

    クレジットカードの明細書の発行がないこととは比べられません。
    明細書の発行がないことは,
    クレジット購入による物品が残ったりするクレジットカード以上に大きな問題です。

    それだけ借金問題の発見や解決を遅らせます。


    後注2)
    多重債務問題の,隠れた実質的な原因は,
    他人に知られないことです。公にせずに隠れてこそこそ借りるです。
    元々家族全員に公開することははばかられてしまうため,
    個別にお願いに上がります。
    それでも家族間で不審が広がっていくと,今度はサラ金等に手を出します。

    しかも家族全員が乗り出すことになっても,1つや2つを隠していることもあります。
    恥ずかしくて怖くて言えないのです。

    このように,地下に潜りやすいものをできるだけ表に引っ張り出すことが,
    本来,根本的解決のために必要不可欠なのです。


    後注3)
    銀行は営利で貸付をするのです。
    貸付をして,金利もろとも回収するのが業務です。

    多重債務者等の借り主やその家族を救うのを目的とはしていません。

カテゴリー:破産再生

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