894 立憲主義と記者クラブ制度はどう見ても相容れない。

立憲主義は,国家権力を縛るものというのは,
憲法解釈のまるでできない偏向ばかりのマスコミでも,言うようになりました。
ただ,マスコミが言うと,途端に軽く聞こえるのが不思議です。

    立憲主義とは,憲法主義という意味ですが,
    憲法とは人権を守るためにあるのですから,
    そして人権とは国家権力からの自由等を中核とするものですから
    立憲主義とは,国家権力を縛るものと言われるのです。


【国家権力とは政治家だけに限らない】
では国家権力とは何でしょうか
政治家はそれに入るかもしれません。
内閣総理大臣とか官房長官とか。

では,霞ヶ関の官僚は?

これを忘れて貰っては困ります。
彼ら高官は,法律を実際に立案し,内閣を通して国会に上程するのです。

    議員立法という言葉があって,しかも議員立法が少ないと言われるはずです。
    この意味は,それだけ官僚が法案を作っているということです。

    官僚のレトリックという言葉だってあるじゃないですか。
    官僚のレトリックというのは,
    法律を現実に作る過程で,法案の作成の仕方に精通しているお役人達が,言葉の技法等を駆使して,自分達が気に入らない法律にこっそり抜け穴を作ったりといった工作を施すテクニックのことです。

    こうしたレトリックを見破るのは,普通の政治家では無理で,
    せめて官僚出身の政治家か,弁護士や検察官出身でないと見破れないと思います。


【法治主義とは法執行者(行政官)に自由裁量のお墨付きを与えること】
法律による行政というのは,法律が行政を縛るものと思っておられる方が多いと思います。

しかし実際は,その逆の現象になっています。
法律を執行する行政マン,つまりお役人・高官が法律案を事実上作成するのですから,
法律とはむしろお役人の行動にお墨付きを与えるというものになります。

    ソ連や中国共産党が作る法律は,全てこれになることは明白です。
    ソ連のスターリンや毛沢東,習近平等の共産党指導者は,自由自在に法律を作れます。
    だから,法律とは,為政者にとって自らに権力や自由を与える打ち出の小槌なのです。

    しかもこうしたからくりがあったことに加えて,
    法律が国家の中で最も上位の決まりであったことから,
    ナチスドイツの「悪法も法なり」という最悪の結果が生まれました。


【法治主義を超える観念が法の支配】
法治主義のこうした弊害を乗り越えるには法の支配という観念が別に必要となりました。

法の支配とは,「国王といえども神と高次の法(=正義の法)の下にある」で知られた原理です。
法律を以てしても許されない高次の法の領域があるという考えです。

法律よりも上というと,結局憲法にその役割を委ねることになります。
もちろんこの場合には,憲法に人権保障主義を宣言します。

かくして,最初に述べた立憲主義(権力抑制や権力チェック)に連なっていくわけです。
→後注)


【記者クラブって何なんだ】
このように,ただ単に法治主義を掲げるだけでは,人権侵害の国になることも十分可能です。
だからこそ,法の支配を持ち出して,法律を超える存在であるところの人権保障憲法を作るのです。
これによって,ようやく正義が護られるのです。

そして前記のとおり,権力者とは政治家だけではありません。
行政庁の事務方の高官も立派な権力者です。

彼ら高官とズブズブの記者クラブ制度は,むしろ立憲主義の敵であることになります。
少なくとも,伝統用語ながら放送禁止用語で,片手落ちです。

最も法律作成に長けた官僚から記事ネタを貰って喜んで書いているだけの記者クラブ連中に,立憲主義を語る資格はありません。

権力チェック?笑わせるなよ。


    後注)
    なお,占領憲法(前文や9条2項)が問題だという論者は,決して立憲主義違反だとか論理破綻をしているということでは必ずしもないと思います。

    というのは,占領憲法は,占領軍たる米国が日本国民からの抵抗を受けないようにするために日本の主権の制限を行っています。
    日本国民の人権を守るのが憲法の根幹にある以上,
    他国の侵略に対し国民の生命や自由を守れなくする占領憲法の特有部分を問題視することは論理的に十分に可能です。

    国家権力に抗してでも人権を守れるという立場が立憲主義なのに,他国の国家権力による侵略には手も足も出せないのは背理です。

    立憲主義の前提となる法の支配は,ソ連や中国共産党流の悪しき法治主義や人権保障を軽視する考えを排斥するものであるにもかかわらず,そうした独裁国家の侵略行為に対し何も抵抗できないのは,真の立憲主義とは言いません。

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