892 裁判官の休日令状当番手当は,同一労働同一賃金に反するかも(お食事券程度が適当)

裁判官の給与は,初任の判事補から部総括裁判官(勤続23年~)
との給与は,600万円~2200万円程度の幅が有ります。

私は,ここを同一労働同一賃金に反すると即断して言うつもりはありません。
勤続年数やキャリア・役職等によって仕事は様々だったり,責任の大きさが違うことがあるからです。
少なくとももっと整理や分析が必要になります。

    個人的な感想では,600~1500万円までくらいの格差でもよいのかな,
    という印象はあります(上の方は少し貰いすぎ)。。
    もっと言うと,最初の5年は安い給料でよいが,その後は,
    大差なくてもよいのではないかとの印象もあります。

    キャリアが上の方になると,自己保身の方も時に見られ,
    若い裁判官の方がよほど真面目に意見を聴いてくれるという印象がある,
    という隠れた理由もあります。


【令状当番手当にうまみ有り?】
裁判官は,残業代は一切ありません。
年中働くことが前提になっています。
現に土日だって働いています(判決書き等)

ただ,それでは,あんまりだというのでしょうか。
ある時期以降(たしか平成5,6年ころか?)
休日の令状当番出勤だけは,手当が戴けることになったのです。

    令状当番とは,警察からの令状請求に対する審査をする当番です。
    警察が逮捕等をするには裁判所の事前の許可が必要です。

    ただ,犯罪や事件の発生は,土日休日関係ありませんので,
    土日の令状請求にも即応するよう当番を決めておくのです。
    平日の昼のほか,平日の夜・夜中も当番表があります。

    ただ,平日当番は夜中でも手当はありません。

その金額は,今は変動があるかもしれないですが,
平成20年代の前半までは
裁判所出勤の上で実働時間1時間以上で6000円~2万円です。
(若い人は6000円,ベテランは2万円)
実動5時間を超えると上乗せがありますが,
そこまでは普通なく,1時間超程度で終えられるものがほとんどです。
1時間超で帰宅もできます。

すると,休日令状当番はむしろ良い儲け?になります。
1時間ちょっと裁判所内で仕事をしただけで6000円~2万円も戴けるのですから。
元々,残業の観念がなく,
土日も仕事をすることを常態としている裁判官としては
土日に登庁することなぞ,朝飯前です。



【令状当番手当で差異は必要ない】
ただ,令状当番は,仮に初任者の判事補は格別としても,
3年目以降の判事補と20年目のベテラン判事とで,仕事内容や責任,そして成果等に違いがあるとは言えません。

この仕事で,手当の額を6000円から2万円までの差異を設ける理由は全くないはずです。
せいぜい初任者だけは少し下げるとしても,初任を過ぎればもう全員同じ金額でよい仕事です。

    部総括判事は,実は,平日については昼はもちろん,
    平日の夜・夜中の令状当番はありません。
    完全に免除されています。
    合議体の長であって,判決の責任を一手に引き受ける重責から,
    令状当番は免除されるのです。
    夜中にたたき起こされるという「被害」から開放されています。

    これは裏を返せば,その分若手・中堅裁判官が引き受けているのです。

    然るに,土日は、部総括は,決して,令状当番を若手に明け渡しません。
    何故なら、1時間超で2万円が手に入るからです。

    平日はお金にならないので,敢えて引き受けようとはしませんが,
    土日は,絶対に譲り渡しません。


【もっとお金の話をしよう】
ある調査では,ファーストクラスのある飛行機と,
エコノミーやビジネスのみの飛行機とで,
問題客の発生割合を見ると
前者は後者の3倍以上多いというデータがあります。

今はきちんとお金の話をするという時代の流れだと思います。
格差問題やパナマ文書も同一労働同一賃金の要請も同時代的な話です。

昔は,こうした暴動や騒ぎ等が起こるので,
「給与格差等はひた隠しにしておこう」
「お金の話はしてはならない」
とのムラの掟があったのです。

  参考:858 「裁判官は報酬の話はするな」 同一労働同一賃金とはもっと金の話をすること・・・・

でももはやそういう時代ではありません。→後注)

大都市手当もそうですが,手当の1つ1つを取り上げて,議論するのが正しいと思います。

    後注)
    実は,令状当番は裁判官だけで出来る話ではありません。
    書記官さん達事務方の令状当番のお膳立てが必要ですが,彼らの仕事はもっと大変です。
    しかも書記官さん達の仕事は,お膳立てのほか,事後処理の手続をしなければならないのです。
    そもそも裁判所に宿直といって休日に1日中詰めておかねばなりませんが
    その報酬はごく僅かです。

    裁判官は,書記官さん達がお膳立てをした後に
    のこのこ出かけて行って,1時間超の仕事をするだけです。
    それで早速前記金額を戴けるのです。
    実に良い仕事です。だから部長クラスは譲り渡さないのです。

    この点の書記官側の不満は大きく,だからこそ
    「正月3日間だけは宿直はしない」
    「裁判官だけでやって」との組合活動が現にあるのです。

    犯罪は年中待ったなしなので,そういうストも実は困るのですが,
    結局,格差の問題こそが,そうした書記官組合の運動の根本原因ではないか。
    正月宿直室に1日中詰めていても数千円まで。
    のこのこ1時間超の仕事をする裁判官は最大2万円
    では,書記官側が無念に思うのも無理はないでしょう。

    しかもこう言う格差をひた隠して済ませようとしても上手く行くはずがないでしょう。

    裁判官も裁判所に1日詰めて寝泊まりすべきだという議論もありましたが
    それで根本的に解決することはまずないでしょう。
    そういう問題ではないからです。

    裁判官の休日令状当番は,2000円程度のお食事券(か現金)くらいにしたらよいかと思います。
    実際にしている仕事はその程度です。
    なんなら,交通費だけは別に追加支給でも良い(公共交通機関のみ,タクシーは除く)
    そしたら,前記ファーストクラス飛行機暴動の類は起きないかも。

カテゴリー:公務員労働司法制度

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