883 慰安婦日韓合意 10億円支払解決は裁判和解なら日本側の勝訴和解に近い。

年末に10億円を支払うことになった慰安婦日韓合意は,
日本中に衝撃が走りました。

「えっ,なんで,10億円も支払うんだよ,安倍さん!」
と,日本人は皆,仰天しました。

ただ,その後,「韓国日本大使館前の少女像を撤去するのか,ならまあ仕方ない」
と思って納得しようとされた方もいるかもしれません。

ところが,日経新聞の記事によれば,
撤去の有無に関係なく,日本政府は10億円払うとのスクープが出されました。
そのため,ショックを隠せない方は多いかもしれません。


【裁判でみる勝訴和解と敗訴和解】
ここで,日本も韓国も,
本来人権や法の支配の基本的価値観を共有する国同士の間柄のはず?
ですので,参考までに裁判における和解のあり方について見ておきます。

裁判は,紛争解決を目指すものですが,紛争解決には
①判決による解決と②和解による解決の二種類の方法があります。

    ①の判決による解決とは,慰安婦問題で言えば,日韓のいずれが正しいか,
    白か黒かをはっきり判断してもらうような話です。
    オールオアナシング・一刀両断的に決まります。

これに対して,②和解による解決にはさらに二つの種別があります。
a)原告勝訴型和解とb)原告敗訴型和解です。

裁判所は,最後は①の判決を下す権限がありますところ,
(判決ができるのに,これをしないで和解を勧試するのは早期円満解決のためです。)
審理の結果を踏まえて勧告する和解内容を変えます。
原告勝訴の心証を得た上で,和解を勧告する場合と
原告敗訴の心証を得た上で,和解勧試をする場合があるのです。

元となる心証が正反対ですので,和解勧告の内容も180度変わります。

    例えば,原告が被告に1000万円の請求した場合,
    裁判所の和解勧告が,
    1000万円の額に近い方なら,a)原告勝訴型和解
    0円の額に近い方なら,b)原告敗訴型和解
    となります。

    前者a)なら,ex.900万円の5年分割払等の案が出されたリします。
    後者b)なら,ex.50万円の支払を被告に求めて,最終解決を確認します。

    原告敗訴和解の場合,事案にもよりますが
    1000万円の請求クラスなら,5%以下になると思われます。

    なお,b)の50万円は,法的な損害賠償金等ではありません。
    法的な実体はない,単なる見舞金の類になります。
    反対にa)の900万円は,法的な請求権を正式に認めたものとみなされます。


【日韓合意の10億円による最終解決はどうか】
では,昨年末の日韓合意の10億円の支払は,
前記裁判所の和解の感覚になぞらえると,どうなるでしょうか。

韓国の主張は,民間と政府は違う主張かもしれませんが,
少女像の碑文には,性奴隷20万人とあります。

そこで,もし仮に1人当たり1000万円の賠償を求める裁判のように考えると
ざっと2兆円の請求額になるわけです。
1人5000万円だとすると総請求額は10兆円です。

仮に2兆円の請求額に対して10億円の支払で最終解決だとすると
裁判で言う原告の求める額の僅か2000分の1の支払いで全面解決させられることになる。
10兆円規模の話なら,10000分の1

若し,先の原告が1000万円を裁判で請求した例に直すと,
原告は僅か5000円しか受け取れない和解に調印したことになる。
それも全面解決であり,蒸し返しが許されないとの条項まで入っている。

    もとより,1000万円の訴訟とは規模が違うので,
    相似形としての計算方法は正しくないかもしれない。
    5%ルール的なものがいつでもあてはまるのでは必ずしもないと思われる。

    ただ,それでも10億円の支払で済む日本の方は有利だといえるのではないか。
    仮に日経のスクープのとおり,大使館前の少女像の撤去/移転がなされなくても,だ。

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