837 銀行カードローンは総量規制なし 破産時は保証会社ではなく,銀行自らが債権者として届け出るワケ

昨日のWBSの銀行カードローンの指摘は良い問題提起でした。
銀行は総量規制を免れるという小狡いことをしている。

早い話,銀行が,かつてのサラ金の真似事をしているということです。
しかも,銀行は悪いことをしないとの性善説に立って,
貸し出しの総量規制を免れていることを奇貨として,
生活困窮者をターゲットにしているようです。

    総量規制とは,貸付け残高を年収の3分の1以下に抑えるという規制のことです。
    一時自己破産が年間20万件に達したこと,
    これに対応するためなどから,最高裁が過払金返還訴訟を容認したこと
    などを背景に,国が貸金業法全体の見直しをし,もって総量規制となったものです。

しかし銀行だけは,これを免れていたとは,なんとも酷い話です。
日本は必ずこういう抜け道や利権構造を作る人達がいるのですね。

    銀行は悪いことしない?(性善説)
    はぁ?と大多数の方が言われるはず。

    銀行の発生過程を見たって,あこぎな金貸しだったんです。

    不動産登記制度とは,
    元々金貸しが不動産を担保に入れるために
    「私が,この不動産から優先的に回収する権利があるよ」
    と公に公示しておくために,編み出された制度でしかない。

    今どき言われる「個人情報保護」もへったくれもないわけ。

    だから,銀行が性善説だなんていうと,
    弁護士は悪い冗談はよせと言いたくなるわけ。

    そもそも貸し渋りしているじゃないか!
    そのくせ日銀に巨額資金を預けてたっぷり稼いでいたじゃないか!
    →後注)



番組では,個人銀行ローンにサラ金が保証しているという紹介がされています。
しかしこれは正確ではないと思います。

というのは,焦げ付くと確かにいったんはサラ金が肩代わりして
銀行に支払をして,個人に対する債権者に成り代わるのですが,
破産手続になると,なんと銀行に戻るのです。
銀行が債権者だとのたまうので,破産を扱う弁護士としては,
銀行を債権者として破産裁判所に届出をするのです。

伝統的な銀行貸付けの場合における保証会社とは違います。
普通の信用保証協会による保証制度は,片道切符です。
債権が焦げ付いて保証会社が払うと,権利は全面的に保証会社に。
そこからの復帰は絶対にない。

ところが銀行カードローンの場合は,
破産の際は必ず銀行が復帰して債権者として名乗りを上げるのです。

    弁護士は,破産事件の受任通知を債権者に送るのですが,
    破産申立て直前の段階では,保証会社であるサラ金が本人(破産申立予定者)と対応しているので,そのサラ金に通知を出すのです。
    ところが,そうするときまって,
    「銀行に権利が戻りましたので債権者名義の再変更を」と言われるのです。

    かつて見聞したことのない話だったので
    何故ですか?とサラ金業者(保証会社)に聞くと
    「貸付等の記録一切が銀行にあるから」
    などと訳の分からないことを言われるのです。



このニュースでやっと謎が解けました。

保証会社であるサラ金には,総量規制がかかる。
破産案件を抱えていると,サラ金業者は金融庁の監督指導の対象となる。
総量規制を超えている貸付だから破産するのですから。

サラ金業者としては,これは大いに困ること。
だからこそ,破産した場合は,総量規制のない銀行に復帰させて,金融監督庁の制裁を免れる。

→後注2)

やっぱり銀行は性善説では語れない。

    後注)
    そもそも総量規制は,多重債務者を救うため。
    銀行側の貸付けの便宜の問題ではなかったはず。

    後注2)
    保証会社は許されるかというと正確にはそうではない。
    保証も貸付けに等しい存在であるから,自らの保証自体が本来許されない。
    銀行が主たる貸付けであるとしても,自らは総量規制がかかる存在である以上は,
    保証それ自体が理論上許されない。
    (おそらく脱法規定を設けていると思うが,本来の通常理論では許されない。)

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