788 裁判官のご出勤時間が遅いわけ

裁判官は,職員の出勤よりも遅いのが通例です。
裁判官は概ね9時20分から40分くらいまでの間に登庁する。

ちなみに,職員が,遅く来る方(その分遅くまで残る)で午前8時45分
早い方で,8時15分くらいかと思います。
(正確ではないかもしれませんが,3パターンです,勤務時間自体は皆同じ。)

    ただ,ここでまず注意を要するのは,
    裁判官は勤務時間や残業の観念はありません。
    よって,タイムカードその他の帳簿はありません。
    ここは一般職員とは全然違いますし,それが大前提となります。

    365日24時間関係なく働け・・・・仕事が完成するまでは。
    ということです。



率直に言って,裁判官は,職員よりも偉いから,遅く来るのでしょうか。
実はそうではありません。

職員が裁判官よりも遅く来ると気まずいから,
そういう慣例になっているのでもありません。

    というのも,裁判官の部屋と職員の部屋は別なので,
    お互いに時差を気にすることがないのです。
    裁判官は職員が何時登庁したかは分からないのです。

    そもそも職員は,組合があり,裁判官の勤務とは関係なく動けます。
    自分が裁判官より遅く来たことを恥ずかしく思ったりはあり得ません。
    2万パーセント。。。



では何が理由かというと,
広い意味で職員の都合だと思います。

例えば,裁判官の上のクラス(所長とか,支部長とか,部長とか)
は,運転手の送り迎えがあります。
そして運転手は,朝9時から仕事開始です。
朝9時以後に裁判所から裁判官のご自宅に伺うとなると
結局裁判官の出勤時間は9時半前後にはなる。
つまり,裁判官はそれを待っている。
早く登庁したい時は,事前に運転手に断りを入れる。

あと,ヒラ裁判官でも集合住宅に多くが住んでいる場合,送迎バスがあります。
その運転手も公務員ですので,朝9時に裁判所を出発して集合住宅にお迎えに行く。

    今のご時世,主権者国民は,そんな無駄なと思うかもしれません。
    しかし,車に乗るのを辞めれば,職員は職を失うかもしれない。
    人員削減,である。

    裁判官だって足はあるし,公共交通機関があるから,
    別に送迎がないならなくていっこうに構わない。
    ただ送迎があるのに乗ってあげないと,運転手さんが困るかもしれない。

もう一つあるのが,裁判官室の掃除は,ごく簡単な箇所は
業者等が毎朝やってくれる(職員は基本的にしません)。
そしてその業者が仕事を始めるのは,実は8時半以降になるわけ。
それは,職員がある程度いるような時間帯でないとやはりセキュリティー上拙いので
8時半以降にならざるを得ない。

他方,8時半前に裁判官が登庁すると掃除のおばさんが来るし,気を遣わせるかもしれない。
(やっているところをじろじろ見たりはしないが,やりにくいかもしれない)

もちろん早く出勤していけないわけではないものの,
以上の職場環境や職員のご都合を聞かされ続けるうちに,
「わかりました」となり,
結局,裁判官は原則として午前9時半前後のご出勤となるわけ。


【一番早く出勤できる時間は】
なお,以上に関連して,一番早く来れる時間はいつか?
それは,午前7時です。それより前は無理。
・・・・少なくとも令状宿直当番のある裁判所では,です。

    職員が警察の夜中の令状請求に備えて交代で宿直しているのです。
    令状請求があれば,夜中でも飛び起き,書類を審査して
    令状当番の裁判官に電話して記録をお届けしなければならない。
    明けた朝ももちろん昼間の仕事はあるのに。。。。
    夜中の令状は,警察も裁判官も職員も皆辛い。

    すると他の職員や裁判官達は何を配慮しなければならないか。
    それは,余りにも早く出勤して宿直職員をたたき起こさないこと,である。

    職員は令状請求の仕事で夜中に起こされたりしているので,
    朝7時以降に裁判所の鍵を開けて,門扉も開くことになっている。
    それより前は寝ていてもよいとされ,その日の仕事に支障を出さないようにしているのだ。

    つまり朝7時より前に裁判官が来ると,寝ているところを起こして鍵を開けさせる羽目にもなる。
    だから,午前7時以前は出勤してはならない決まりになっている。

ただし,以上は,宿直のない裁判所では,別です。
セコム等の管理になっているので,職員に気兼ねしなくても良いので,
出勤しようと思えば朝7時前にすることもできます。
裁判官は,各人セコムカード等を戴けますので,それを使って入ります。


まとめますと,
裁判官は,組織の中で生きていますので,
色んな意味で職員の立場に気を遣い,それが出勤時間にも表れているということです。


【調査官の出勤時間は】
ところで話は変わって,調査官の出勤時間はどうでしょうか。

調査官は,国家公務員上級職に相当する職種でありまして,
司法試験組の裁判官と,一般職員の中間に位置する地位にあります。

    実は,調査官は,職員よりも遅く,裁判官よりも早い,
    9時ちょうど頃に来ると思います(遅刻にもならない)。

    これはただ単に,調査官が勝手に地位の上下を考えて,
    その中間を狙ったものと思います。

    でも,先に述べた趣旨からするとちょっとズレているなと思います。

    地位というものは,一番上よりも二番手の人の方が妙に意識するものです。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:都市伝説/司法雑談

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