776 いちゃもん付けて商品を受け取らなくても買主の責任や不利益は全部発生

日本では,お客様は神様と言われ,客の強い意見には店はとかく弱腰になりやすい。

例えば,衣類を試着した上で購入して,家に持ち帰って再び着てみたところ,
やっぱり趣味に合わないとなったとして,
それで購入した日にレシートを持って再び店に行ったとする,
返品返金をお願いするとこれに快く応じてくれる店は意外に多い。

しかし,それが法律上当然だと思うとすれば,それは完全な間違い。

売買契約が成立した以上,売主に問題tがない限り,買主の返金要請に応じる義務はない。
そもそも契約は自己責任ですから,一方的な撤回は認められません。

    実際的にみても,仮に常識的に例えば当日なら返品返金OKだとしましょう。
    では購入の翌日は?,3日後は?4日後は?,1週間後は?
    と何処で線を引いて良いか分からない。
    仮に3日以内ならOKと線引きしたときに,何故4日めは駄目なのか,説明ができない。
    つまりそれを法律で決めることは出来ません。

例外はクーリングオフですが,あくまで特殊の売買契約の場合になります。


前置きはこのくらいで,例えば,
もし電化製品を○○電気から購入して,配送してくれとお願いした。
そして販売店は玄関先まで持ってきてくれた。
ここで,中身には何も問題はないとする。
玄関先まで運ぶ途中で,花壇の花を踏みつけて損害を与えたとかもないとする。

ただ,ここからが問題で,
例えば配送のお兄ちゃんの態度が気に入らないので受け取りを拒否した,
あるいは,購入後,家に帰って気づいたことに,思ったよりも商品が大きく,玄関から通り抜けることに結構難儀をすることが分かったので(通らないわけではない),将来の引っ越しのことを考えて,受取りをいったん拒否したとする。

配送人はやむなくその日は持ち帰ることにした。
ところがそのトラックが,店まで戻る途中,無免許かつ信号無視の車に横様に激しくぶつけられ,
配達物の電化製品はそこで大破してしまった。
配送人の運転には過失はなかった。
相手は無免許なので保険も入って居らず,しかも賠償するお金もない

この場合,買主は,
①(売主に,契約はやっぱやめた,)代金を返せと言えるか
②大破しない新しい電化製品を寄越せと店に言えるか?

    自分の勝手で受領を拒んでおいて,代金を返せだの,
    壊れたのは要らない,別の新品を寄越せなんて言われたら,店は良い迷惑です。

    民法の規定では,この例の買主は,代金は返して貰えず,
    かつ貰えるものは,壊れた電化製品のみ。。。
    もちろん交通事故の加害者に賠償請求はできるでしょうが,無免許の無一文な事故加害者が相手では取立は出来ないでしょう。



民法は,お客様を神様とは扱っていません。
売主と買主は,あくまで対等公平に見ています。

客が店に迷惑を掛けて利益を得ることを民法は許しません。

    【民法条文】(太字は,前記事例に則した場合として,当ブロガーが挿入)
    (弁済の提供の効果)
    第492条 債務者(=売主)は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れる。
     (受領遅滞)
    第413条 債権者(=買主)が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者(=買主)は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。

    (債務者の危険負担等)
    第536条第2項
     債権者(=買主)の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者(=売主)は、反対給付(=代金)を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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