770 抵当権と根抵当権は完全に異なることを一般国民は理解しているか?

昔,大学に入った直後,
抵当権のことを,「コンテイトウケン」と読んでいた私。
・・・・正解は「ていとうけん」です。

「そんなことわかるか,バカヤロウ!」,と思いました。
重箱読みのような話だから・・・・。

おそらく法律の素人である一般人にはなじみがない。

ただそれよりもはるかに問題なのは,単純な抵当権とは極めて似て非なる物であること。
法律相談で,複数の方が知りませんでしたので,実に困った話です。

    抵当権は,借りるのは1回限り,弁済すれば終わり。
    仮に借りた金が1000万円なら,1000万円を返せば抵当権は自動的に消える
    (抹消登記の必要はあるが)
    完全に単発のそれ。

    これに対し,根(ネ)抵当権は,借入限度額の範囲内であれば,何度でも借りられる。
    まるで巨大なクレジットカードのような話。

    クレジットカードなら,例えば限度額を50万円と定めると,
    限度額を超えるとそれ以上の買い物はできなくなるが,
    月々の決裁の末,無事引落がなされると,翌月は再び50万円まで買いものが出来る。

    限度額50万円のクレジットカードでも累計なら年に300万円だって買いものが出来るし,現にそうされている方も多いが,根(ネ)抵当権はまさにそれ。
    1000万円の枠の根(ネ)抵当権であれば,累計で5000万円でも借りられるかもしれない。最初の借入1000万円を弁済しても根(ネ)抵当権は消えない。

    これほどに,抵当権と根(ネ)抵当権とは似て非なる物。

これをよく同じ言葉のような体裁で用いるものだと,私は不思議です。
ふざけるなと言いたくなるくらい。
抵当権と根(ネ)抵当権,同じ言葉が使われているために,
一般人は,根(ネ)抵当権は抵当権の亜種くらいに思って仕舞います。

しかし,根(ネ)抵当権の負担をする土地所有者にとって,実際の厳しさは全然違う。

    言ってみれば,「ドイツ」と「都々逸(どどいつ)」くらいの大きな違い?がある。
    僅か一文字違うだけで全然別物といってよい。



紛らわしい名前であることについて,一体何が問題か。

借り主が,自分の土地を銀行に提供する場合なら結構です。
自分の土地で繰り返し借りるのであれば,しかたがないでしょう。

ただ,借り主に特に頼まれて土地を担保に提供した物上保証人は困ります。

    いつまでもいつまでも借金が残るので,それだけ土地を失う危険が高まります。
    先の例で最初の約束の1000万円を返したと聞いたから安心していたら,繰り返し繰り返し借りられてしまい。合計5回,累計5000万円借りられてしまった。
    ところが最後の5回目の借金が焦げ付いてしまった。

    しかし,それでも所有者は,土地を失ってしまう。

これほど似て非なる別物なのに,同様の言葉が使われているのは不幸です。
我々のような法律家はよいけど,国民の素人一般にはよくないことです。

せめて,「単発型抵当権」「連続借入型抵当権」くらいに明確に区別するべきです。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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