769 母親が家裁調査官による子どもの調査を拒むとどうなるか。

私はかつて一度も取り扱った経験はありませんが,
時々変わった親御さんもいらっしゃるようなので,
少し極端かつ刺激的な事例を考えてみました。

子どもの審判が,家庭裁判所に係属した。
しかし,子どもを監護している母親が,
裁判官の調査命令にもかかわらず,頑として調査官調査を拒否したとする。

この場合どうなるでしょうか。
もちろん決してあってはならないことですが。。。


【何故子どもの裁判が民事訴訟で出来ないのか。】
そもそも何故子どもの事件が民事訴訟ではないのでしょう。

えっ!?,まさか!?と思うかもしれませんが、実は,
無理にでもやろうと思えば,実は理論的にできない話ではないようです。
実際,民事訴訟でも良いかどうかの議論はかつてなされたことがあるようです。

ただ,民事訴訟は当事者主義です。
証拠は当事者が出したものしか裁判所は取り調べられません。
遠山の金さんのような調査は裁判所はできません。

つまり,母親と父親が激しく争う事案において,裁判所が
子どもの状況やその思い,その他子どもの利益に関わる事項を正確に把握できるでしょうか。

母親の出す証拠だけになってしまうことになるでしょう。
父親も一定の証拠,例えば過去の父子の写真や過去の父子関係についての陳述書等なら出せますが,子どもの現在のものはもはや出せません。


民事訴訟では,当事者主義のため,
母親は証拠の提出を合法的に拒むことができるし,
自分の都合のよい証拠だけを出すこともできます。

    母親は言うかもしれません,「それがなぜいけないの?」

    実は,母親も父親も子どもに対し権利を持っているのではなく,あくまで義務を負担しているのです。子どもの福祉です。
    権利ではなく,子どもの福祉に適合するように対応する義務がある。

    でも,民事訴訟では,当事者主義のため,
    子どもの福祉の議論以前に,当然に当事者である母親が証拠を出さないことができてしまう。

    片親にこんなことをさせないためにも,家庭裁判所の専属的所管にした
    というのが今では定説になっています。

    子どもの専門家たる調査官が実際に家庭に赴いて子どもの調査をするようにしたのです。
    彼らは高度な研修を繰り返し受けています。

    逆を言えば,家裁にはせっかくの調査制度があり,これを使わない手はない。
    だから,民事訴訟では扱えないという解釈になっているのです。



では,家庭裁判所の裁判官が,
調査官に対し,子どもの状況調査をしてこいと命令しました。

にもかかわらず,母親がそれを拒んだり,あるいは協力しない。
すると,どうなるか。

子どもの福祉のために,家裁がそれをしようとしているのを母親が拒んだということになれば
子どもの福祉を理解しない母親だということになる。

家裁の判断は,母親に不利になる可能性は当然出てくるのではないか。
(審判書に,それを明示することはしないでしょうが。)


なお,この母親についている弁護士は,拒否事例につきどうすべきか?

弁護士の職務規程では,
このように,子どもの福祉を理解しない親との委任関係は,
解消することができると解釈されています。

真の依頼者である子どもと,契約上の依頼者たる母親との関係に相克が生じている場合だからです。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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