715 借金がある人は生活保護を受けられるか?

生活保護は,日本国籍を有する者に認められるのでずが
日本人といえど,当然の権利なのではありません。
あくまでも財政や予算の限度というものがあります。

つまり市役所も,財政困難なためか,
そして何らかの事情で生活保護申請が殺到した時などは
やはり審査の目が厳しくなることは否めないかもしれません。


実際に市役所の生活保護係の職員に言われたと聞きましたのは,
「借金があると生活保護は受けられない」
というものでした。

その方は,たしか仕事が未だあったお方なので,それをも踏まえて
「(働いて)借金を返してから来ていただけませんか」
とやんわりと言ったのだと思います。

    理論的には後に述べるとおりですが,常識的にいえば,
    市の係職員が,借金のある方に生活保護を認めたくない気持ちは分かる。

    もし限られた生活保護費の中で,借金取りに押しかけられ,
    例えば,なんとある月の保護費を全部強制的に持って行かれてしまった,
    なんてことになると,市役所の職員としてはさぞかし困るだろう。
    生活が出来なくて飢え死にするのも困るし,かといって二重支給もできまい。

    借金取りに1か月分の保護費を無理矢理奪われてしまったとき,
    仮にいったん市が臨時で立て替えをするとしよう。
    しかしそうすると,借金取りはますます調子に乗って取立に来るだろう。
    「市役所が借金の肩代わりをしてくれたぜ」
    ぐらいに思うかもしれない。

    ただ,浪費して生活保護費を使い込んだ人,
    生活保護費を落としてしまった人だっているはずだとの指摘もあろうが,
    借金取りは繰り返しやってくる点に特色がある。

    市役所が借金がある者に生活保護を認めにくいことは間違いない。

ただあくまでも理論的にいえば,本来,借金の有無に拘わらず,
申請者の生活世帯の収入の認定審査が,最低生活費を下回れば保護は認められるはずだと言われています。

ですから,弁護士会の指導としては,結局,
「借金の債務整理や自己破産手続を弁護士に依頼しながら,申請をしたらどうですか」
というアドバイスになるかと思われます。

    しかも申立て費用や弁護士依頼料は,法テラスを利用すれば分割払にできるかと思われます。
    なお,生活保護が無事受けられると,法テラスへの分割支払についてすら配慮があると聞いています。

    実際には法テラスに聞いて下さい。



なお,生活保護者が,借金を払うために,福祉事務所に黙って働いて収入を稼いだ場合,直接的には生活保護費から借金を返済しても,収入認定はされてしまうので,生活保護の停止・取消になったり,収入の届出義務違反として生活保護費の返還を求められることがあります。

要するに,借金がある場合には,何かと無理をしがちなので,
結局福祉事務所に迷惑をかけてしまうことがあるということです。

    生活保護法

    第61条 (届出の義務)
    被保護者は,収入,支出その他生計の状況について変動があったとき,又は居住地若しくは世帯の構成に異動があったときは,すみやかに,保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。

    第63条 (費用返還義務)
    被保護者が,急迫の場合等において資力があるにもかかわらず,保護を受けたときは,保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して,すみやかに,その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。

    第78条
    1 不実の申請その他不正な手段により保護を受け,又は他人をして受けさせた者があるときは,保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は,その費用の額の全部又は一部を,その者から徴収するほか,その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
    2  偽りその他不正の行為によって医療,介護又は助産若しくは施術の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関,指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関があるときは,当該費用を支弁した都道府県又は市町村の長は,その支弁した額のうち返還させるべき額をその指定医療機関,指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関から徴収するほか,その返還させるべき額に100の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
    3  偽りその他不正な手段により就労自立給付金の支給を受け,又は他人をして受けさせた者があるときは,就労自立給付金費を支弁した都道府県又は市町村の長は,その費用の額の全部又は一部を,その者から徴収するほか,その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
    4  前三項の規定による徴収金は,この法律に別段の定めがある場合を除き,国税徴収の例により徴収することができる。

    なお,61条の届出義務の規定によれば,
    例えば生活保護受給者がパチンコをして大儲けしたとき,これを申告しなければならないことになるのでしょうか。
    パチンコに入り浸っている保護者は,最後は生活保護が取り消されることになるのかもしれませんね(78条)

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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