691 「疑わしきは罰せず」は,裁判以外で通用する原則ではない(国防は不適用)

「疑わしきは罰せず」は,格好良い言葉ですよね。
どこか正義と公平というものを体現しているかのようです。
正直な日本人の国民性からしても,多くの方がそう思うのではないか。

    ただ,最近この言葉が使われる場面を見ると,
    安保法制の反対の意見者で,中国等を弁護する時にも使われています。

    それで気になったので,以下検討します。

実は,法律家を目指した私も「疑わしきは罰せず」には憧れました。
「真実究明こそが大事」
「予断と偏見に基づいて対応するなんて,もってのほか。」
「そうやって疑われた人の身にもなって見ろ」
と思ったこともあるし,仕事柄今でも思います。


しかし,これが通用する領域・場面は,あくまでも裁判手続,それも刑事裁判手続です。

実は,行政法の領域は,必ずしもそうではないです。
例えば,医薬品の承認はどうでしょうか
・・・・疑わしきは罰せずで,どんどん承認してよいでしょうか?

国外からの食料品輸入はどうでしょうか?

    輸出者は,消費者が自分に身近な自国国民ではないこと,
    船便であれば時間がかかるので,腐敗等を防ぐためポストハーベストという強い薬品を食品にかけることがあること,
    輸出には,船代やオイル代様々なコストがかかり,その分食品安全面がしわ寄せを喰うことも往々にしてあり得ることなどから,性善説では語れないようです。

    それは,過去の様々な事例からも明らかだと思います。



このように,国民の生命の安全等についての行政対応は,
水際でくい止める施策が必要不可欠です。事前差止め。

「疑わしきは罰せず」という対応ではないことになろうかと思います。
国民の生命侵害や健康被害が起こってからでは遅いからです。

時には,風説の流布により,行政が過剰反応して事前差止めがあったとします。
それでその業者が不当な損害を被ったら,事後的に裁判所に損害賠償の訴えを起こせるかもしれません。
それでも,行政が,それなりの調査と根拠をもって事前差止めすることがオカシイということにはならないと思います。

    この場合,その時々で行政が調査判断した結果(水際差止め)と,
    裁判所が後に専門家鑑定を用いて慎重・厳密に審査した結果とが乖離してもなお,
    当時の行政判断が間違っていたとはされないこともあろうかと思います。



さて,私の問題意識の核心ですが,
日本の防衛の問題はどうでしょうか。

国防は,日本国民の生命の安全の問題ですから,
①裁判所型の「疑わしきは罰せず」と
②前記医療・食料行政型「事前水際阻止」
のいずれに近いかというと,やはり後者②に近いのではないでしょうか。

もちろん,先制攻撃は憲法で禁じられていますから,この場面では,
①裁判所型「疑わしきは罰せず」の側面も一応?あり得るのかもしれません。

しかし防衛のための様々な施策についていえば,
②医療・食料行政型「事前水際阻止」的な色彩の強いものにならざるを得ないのではないかと思いますが,いかがでしょうか。

髙村自民党副総裁曰く,「万,万が一でもそのようなことがないように準備する」と。
他国による侵略を受け,個人財産は全部没収,日本人の大量虐殺・植民地化の上,憲法が全面破棄されてしまってからでは遅いのです。

国防は,国民の生死にかかる医療や食料安全の行政に準じるものがあるのではないか。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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