439 中古車の交通事故,何故修理代全額が出ないの?

交通事故の事件は,まあまあよくやっている方だと思いますが,
物損事故,例えば,追突事故の被害者のような場合,
「大事故なので,修理代が100万円かかると言われた。」
「でも,保険会社には,50万円の中古車だから50万円までしか出ないと言われた。
これって,おかしくないです!?」と。

この質問は何度聞かれたか知れないほどです。


ただ,これは,損害賠償の基本常識の類です。

物の価値以上の賠償責任はない。
修理代が掛かりすぎるなら,同等の車を買い直せば良い。

    分かりやすくするために,例えば小洒落た家具を20万円で作って貰ったとします。
    半オーダーメード的なヤツ(一応型紙はあるやつ)を想定して下さい。

    それが何かの事故で粉々に壊された。
    これを,ほぼ元どおりにまともに修理しようとすると,3,40万円かかることはざらにある。
    普通もう一度一から型紙で作ってもらった方がよほど安い。
    修理の方がよほど手間暇・人工が掛かる。

    だから,弁償する側は,例えばMAXでも,
    型紙から一から造った時の金額20万円を払えば良い。

法律を知らなくても分かりそうなこと?だと思いますが,
何度でも質問を受ける。
時には,いくら説明しても納得されない方も居た。

私の感覚がおかしいのかしら?

    今の中古車を買ったときには80万円したが,事故当時の価値は50万円だった。
    だから,たかだか50万円の賠償ではなく,修理代100万円を欲しいと言われるのでしょうか。

    でもその場合,仮に修理代を認めてくれたとしても,それは業者に全部支払うだけの話ですよね,被害者の懐に入るべき話ではないはずです。
    しかも例えば3年前にカローラの中古(トータル使用5年)を買ったのが事故あったなら,5年めの中古カローラを買い直せばよいわけです。
    仮に修理してそのまま乗ってもやはり5年物の中古カローラでしかありません。

    もし被害者が100万円の修理代を貰って,修理せずに100万円の車を買うことを計画するとしたら,それはいかがなものでしょうか。

    交通事故だからといって,物の価値以上に払って貰えるのではないわけです。

    しかも元々が3000円,5000円の物など,財布からすぐさま出して弁償金を支払えるような金額ではないだけに,難しいのです。高額負担になる分,より厳正に決められます。

      また何であれ,オークションサイトに出品したことのある方は分かるとおもいますが,
      物とは,物の価値とは,所詮そんなものです。
      使えば価値は下がります。買った値段では普通売れません(レアものを除く)

      おそらく多くの方は,「買い替える時は,前のより良い物に」とのいわば右肩上がりのお考えがあるのではないか。
      平成22年式カローラを再びでなく,前より良い物をとか,より新しい中古のカローラをとか。
      だから平成22年式カローラを再び買う分の賠償しかくれないと,現状維持でも腹が立つ?



もちろん,別の同等の車を買い替えるとなると,探すのには時間が掛かることもあるかもしれない。

しかしそれに必要な期間は,代車料をいただけばよく,
そうすれば,その間も,別車だが,車を使い続けることはできる。
・・・・ただし,ずるずるしていると代車代もいい加減に打ち切られますが。


要するに,①物の価値の弁償,
②修理期間又は車を探す期間に自分の車を使えないことによる損害は代車料の弁償,
以上2つを併せて,損失の填補はなされているとみるわけです。


ただ,ひとつだけ困る場合があるかもしれません。
例えば中古車平成17年物をを50万円で買った,一年乗って,激しい追突で100万円の修理代という場合。
この場合,16万円程度しか出ないと言われることがあるが,
仮に平成17年ものの車を中古で再度買おうとしても,到底その額では買えない。
足が出る。

    すると,追突された人は,落ち度がないのに,自分でお金を支出しなければならないことになる。

    この場合にかぎり,例えば,購入するに値する価格くらいの賠償はしてくれるべきかもしれない。
    その場合16万円の車を探すしかないから,探すのに時間がかかる
    ならば,代車代を寄越せということにもなり,例えば20日間程度追加すると15万円くらいになる。
    これを保険会社が負担するくらいなら,
    もとから最低でも31万円ラインに乗せた方がよいと思われませんか。

    参考判例:最高裁判所第2小法廷判決昭和49年4月15日
    「交通事故により自動車が損傷を被った場合において,被害車輛の所有者が,これを売却し,事故当時におけるその価格と売却代金との差額を事故と相当因果関係のある損害として加害者に対し請求しうるのは,被害車輛が事故によって,物理的又は経済的に修理不能と認められる状態になったときのほか,被害車輛の所有者においてその買替えをすることが社会通念上相当と認められるときをも含む」

    ただし,この判決の射程距離はやや不明です。



なお,本題から外れますが,
代車料は,控えめにして,我慢していると請求できなくなります。
「車がないと生活に困ります!」と言って必ず要求して下さい。

たとい仕事のない年末年始を挟んだ時期に差し掛かっていても,です。
夫の車なんかで用事を済ませたりしないで下さい。


【参考】 車両全損事故の場合の買替諸費用の賠償
車両全損事故の場合の買替諸費用の賠償

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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