419 少年の更生は継続的関わりから

最近の川崎中事件とか,
はたまた光市母子事件とか,コンクリート詰め事件とか,
名古屋緑区アベック襲撃事件とか(首を縛った上で綱引き)
の陰惨な事件を見る度に,少年法改正議論は重要性が取りざたされます。


ただ,前回も言いましたが,
上記の陰惨な事件は,少年の仕業でも,大人の事件として処罰されることの多いものです。
(光市母子の事件は,死刑になりました。)

    しかも少年法改正というよりは,最高裁の判例変更が必要だというのが,おそらく事の本質です。
    大人の事件で,むちゃくちゃな酷い事件で,裁判員裁判で死刑の出た判決を覆しました。二度も。



通常の大多数の少年事件は,
大人の犯罪の単なるミニチュア版であり,なおかつ,小狡く,少年法の陰に隠れて好き放題やっている?
わけではありません。

陰惨な事件は必ずしも多くはありません。

かえって,様々な家庭的負因を抱えた少年は実に多くいるのです。

    私が担任した例でも,
    小学校に上がるまで,家で食事らしい食事を殆どしてこなかった子も居ます。
    カップラーメンにコーラで生きてきたような子が。
    小学校に上がると給食があるので,それが栄養源だったとか。
    これで脳や心身が育つわけがないという例は実際にあるわけです。

    しかもバブル当時でもありましたから,長引く不況の中では,むしろ一層多くなっているはずです。

    親,とりわけ義父からの性的な虐待があったりする例も多いです。

    語弊を恐れず言えば,
    この酷い家庭にして,よくこの程度の非行で済んでいるな
    とむしろ感心するくらいの子どもさんも,幾度も目にしてきました。

なお,戦後の家庭裁判所のキャッチフレーズは,
「少年に光を,家庭に愛を」だったと思います。


昨日,弁護士会の少年事件勉強会に出席しました。

子どもの権利委員会の方の日ごろのご尽力を聞いて本当に頭が下がる思いでした。

それは,母が女子に対し支配的なため葛藤が生じ,関係がぎくしゃくしている親子の場合の対応です。
もちろん関係改善が達成できれば,立ち直ることは十分に期待できる少年(=少女)です。

    こうした事例では,関係改善のために継続的に関わって,裁判所や調査官の協力を得ながら,お互いの橋渡し作業を繰り返すのは当然のことです。
    親子で直接向かい合わせて上手く行かないからです。

    ただ,事件を通して弁護士が関わった以上,一定期間を経て事件が終われば,基本的にはそれで一旦関わりは終了にならざるを得ない。

    しかし,その委員の先生は,親に言えないことが出てきたり,再び葛藤が生じることを見越して,自分の使い古しの携帯電話のガワ(SIM抜き)を渡し,SoftBank等でプリペイド式の利用を認めてあげたりしているという(代金は少年が支払うが)。
    携帯は,こうした事例では,親が子どもから取り上げたりしているからだ。

    そうやってやばくなる精神状態のてこ入れを随時継続して行うという。

これは本当に立派だし,なかなか真似のできることではない。



現に,家庭裁判所の裁判官や調査官は,そうした事後的な関わりの重要性は理解していても,それはしないし,ほとんどできない。

    実は法律には,少年が少年院に行った場合にも,
    裁判官・調査官が当該少年と事後的に関わりができるように,
    動向視察という制度が用意され,かつそのための予算的な手当もある。
    旅費はもちろん,通常の給与のほかに,何故か日当まで出る。
    (公務員は出張すると給与以外に,日当が出るのです。優遇されていますよね。)

    それでも,行かないのだ。
    特に調査官はまず行かない。少年院送致までの関わりが仕事だと思っているのかもしれない。権限・権益を行使するだけだ。

以上に対し,日弁連や国の支援に基づく,弁護士の付添人活動の場合,そうした事後的な関わり分に対する手当は出ない。
せいぜい,少年院から出て帰住先を決めるために特に尽力したときに補助が出る程度だ。

つまり事件終了後関わっても,裁判官調査官とは違い,金は出ないし,むしろ労務を含めると,損失になるわけだ。

にもかかわらず,そうやって,少年の更生のために骨を折っている委員の先生には本当に頭が下がる。


私は,例えば破産管財人の仕事を弁護士に割り当てるように,
調査官の代わりとして,否,その拡充を図るべく,弁護士をもっと活用したらよいと思う。
制度化すれば,特権階級の調査官に依頼するよりも,よほど機動力が増すと思う。
(たかだか調査官による4回の面会で「よく頑張った」だなんて,余りにも情けなさ過ぎ)

調査官は最高裁の中では,公明党的存在だと思う。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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