396 もしかして弁護士による奇跡(手柄)?に見えるとき

弁護士がやることでは,何も奇跡は起きないと思います。

弁護士は歯医者とは違いますので,例えば
ボロボロになった歯を,土台から作り直して,インプラントして綺麗な歯を新生させるような奇跡は起こせません。

法律関係の前提となる事実関係は作り直しません。
依頼者が置かれた現実の中で最も利益になることは考えますが,
基礎となる事実関係の作り直しはしません。

それは,事実の捏造とか偽造とか言って,法律家の世界では最も忌み嫌われることです。

    100歩譲って,不利益な事実を黙っていることまではしても,積極的に異なる事実を拵えることはしません。



ただ,弁護士が奇跡?を起こしたかに,素人目には見えることがあるかもしれません。

それは,民事裁判の場合ですが,
要件事実(立証責任の振り分け)による「利ざや」?が発生するかに見えるときです。

法律の世界では,
立証責任を負担する方は,100%の立証をしなければならない。
負担していない側は,相手方の100%立証にいちゃもんをつけ,例えば95%に引きずり下ろせばよい。



その意味で,真実を明白に示す証拠が揃っている一部の事案はともかく,
多くの事件は真実性は微妙で,まさに立証責任の有無によって結論が決まったりするわけ。

    喩えは悪いですが,例えば,国政選挙の場合,
    小選挙区制度によると,死票が多く出ると言われています。
    地域ではごく一部の得票数でも最多数の者だけが当選する。
    しかも他の候補者達が獲得したその地域の大多数の票が死票に消えてしまうのです。
    要は,組織票等がありさえすれば,大量の得票でなくても,大抵は勝つわけです。



要件事実による立証責任の振り分け法則によると,立証責任を負担させられた側が,それこそ膨大な量の証拠を提出しても,タッチの差で全部水泡に帰すことがあるわけ。
・・・・死票ならぬ死証拠,100%立証の失敗です。

これを反対に言うと,立証責任を負わない側は,のらりくらり訴訟活動しただけで勝つことがある。

しかし事件というものは,実は複雑で,
少なくとも一般の方から見ると,素朴に後者の方が分が悪いと思っている場合も数としては多い。

    だから,それで勝った当事者としては,
    「(内心は負けるかも,と思っていたにもかかわらず,)労せずして勝てた」
    「この先生は凄い」
    となるのかもしれない。

    ただ,それは奇跡ではなく,死票ならぬ死証拠が多く出ただけかもしれません。



実際,弁護士としては,
立証責任を負っていない当事者からの依頼の方が,負担がずっと楽だし,その上勝訴しやすいので,随分と有り難いのです。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:弁護士民事裁判

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