386 親も教師も国も,子どもの権利に対する義務者/日教組問題(後編)

(前回からの続きです。)
親も教師も国も,子どもの権利に対する義務者にすぎません。
では,日教組は?

まずは,最高裁判決の再確認/再登場です。

    【学テ最高裁判決要旨その2】

    [教師の自由]
    大学教育ではない,知識の伝達と能力の開発を主とする普通教育の場においても,子どもの教育が教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ,その個性に応じて行わるため,具体的な教え方やその内容にある程度の自由が認められるべきという意味で,一定の範囲の教授の自由も認められないではない。
    例えば教師は公権力によって特定の意見のみを教えることを強制されない。

    しかし,大学教育の場合には,学生が一応教授内容を批判する能力を備えているのに対し,普通教育においては,児童生徒にこのような能力がない。

    教師が児童生徒に対して強い影響力,支配力を有する上,普通教育においては,子どもの側に学校や教師を選択する余地が乏しいこと,教育の機会均等をはかる上からも全国的に一定の水準を確保すべき強い要請があることからすると,普通教育における教師に完全な教授の自由を認めることは,とうてい許されない。


    [国家の権限]
    もとより,政党政治の下で多数決原理によってされる国政上の意思決定は,さまざまな政治的要因によって左右されるから,本来人間の内面的価値に関する文化的な営みである教育について,党派的な政治利害等の影響が深く入り込む危険は避けなければならない。
    教育内容へのこの種の政治権力の介入はできるだけ抑制的であることが要請されるし,殊に個人の基本的自由を認め,その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては,子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入,例えば,誤った知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことは許されない。

    しかしだからといって,これらのことは,前述のような子どもの教育内容に対する国の正当な理由に基づく合理的な決定権能を否定する理由となるものではない。


大変バランスが取れた判示です。さすが最高裁です。

なお,この事件は,国家の教育への関わりが問題提起されたものに対し,これに応答する形で論じているので,国家の権限を論ずる場面が多いように見えます。

    ただ,国に対して述べた「例えば,誤った知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことは許されない。」は,教師等だって許されないはず。



この判決が言いたかった趣旨は,結局前回の【要旨その1】です。
教育は子どもの福祉のためにあります。

従って,本来批判能力のない児童に対し,
国家にせよ,教師にせよ,偏見や誤った知識等を植え付けてはいけないのです。
最高裁は,当然の事理を述べたまでです。

児童虐待や子どもを食い物にするのが許されないのは,親のみならず,国も教師等も同じです。
子どもの福祉に適合するための関与は認められるが,これに反する教育は認められません。


ところで,最高裁は,児童への教育関与者として,①親,②教師,③国家,の3つのみを掲げています。
日教組は入っていません。

    先生方の労組ですから,本来児童の教育には関係ないし,関われないのではないか。

    仮に②に準ずる者であるとしても,②ですら上記制限が厳しいのですから,②を超えることは到底許されないはず。

    かえって,「教師は(公権力によって)特定の意見のみを教えることを強制されない」自由がある。
    これと同様,教師は日教組によって特定の意見のみを児童に教えることを強制されないはずだ。

      私は,児童の指導が大変に上手で,毎年毎年生徒父兄から絶大な人気を博した先生が,
      組合方針と相容れず,失意で退職等した例を知っています。



国家のみならず,教師も日教組も,子どもの教育に関し,
「党派的な政治利害等の影響が深く入り込む危険は避けなければならない。」
のは,言うまでもないことです。
なぜなら,教育は子どもの福祉のためにあるからです。

    ex.慰安婦問題で,韓国人に土下座謝罪をさせる韓国修学旅行とか,
    卒業式で,先生方が「君が代斉唱しない自由」なるものがあるとして恥ずかしげもなく行使するとかは,②の先生はもちろん,まして日教組はなおさら許されない。



【参考】

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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