384 シリア渡航でパスポートを取り上げられた「はた迷惑な人」(旅券法と渡航の自由)

こういう人は,世間の注目を浴びたいのでしょうか?

最近起きた,自称イスラム国(過激派集団)のテロにもかかわらず。
こういう時になると,かならず,「はた迷惑な方」が出てきますよね。

日本国政府や外務省等が,邦人の身の安全に,神経をすり減らしている時だというのに。
日本国民の大多数が,悲しく残念な,辛い思いを持っている時に。

憲法22条2項によれば,「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。」とあります。

しかし,旅券返納は,公共の福祉に基づく制限なので,政府の対応は何も間違っていませんよ。


旅券法
(返納)
第19条
1 外務大臣又は領事官は,次に掲げる場合において,旅券を返納させる必要があると認めるときは,旅券の名義人に対して,期限を付けて,旅券の返納を命ずることができる。
① 一般旅券の名義人が第13条第1項各号のいずれかに該当する者であることが,当該一般旅券の交付の後に判明した場合
・・・・
④ 旅券の名義人の生命,身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合

(一般旅券の発給等の制限)
第13条
1 外務大臣又は領事官は,一般旅券の発給又は渡航先の追加を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には,一般旅券の発給又は渡航先の追加をしないことができる。
⑦ 前各号に掲げる者を除くほか,外務大臣において,著しく,かつ,直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者(旧⑤号)



以下は,旅券法の解釈に関し,参考となる著明な最高裁判例です。

最高裁判所大法廷判決昭和33年9月10日民集12巻13号1969頁

「憲法22条2項の『外国に移住する自由』には外国へ一時旅行する自由をも含むものと解すべきであるが,外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく,公共の福祉のために合理的な制限に服するものと解すべきである。そして旅券発給を拒否することができる場合として,旅券法13条1項5号【現行7号,以下同じ】が『著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者』と規定したのは,外国旅行の自由に対し,公共の福祉のために合理的な制限を定めたものとみることができ」る。   
 
「・・・・日本国の利益又は公安を害する行為を将来行うおそれある場合においても,なおかつその自由を制限する必要のある場合のありうることは明らかである。」

「そして・・・・とくに占領治下我国の当面する国際情勢の下においては,上告人等がモスコー国際経済会議に参加することは,著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害するおそれがあるものと判断して,旅券の発給を拒否した外務大臣の処分は,これを違法ということはできない・・・・」。

「所論中,会議参加は個人の資格で,しかも旅券の発給は単なる公証行為に過ぎず,政府がそのことによって旅行目的を支持支援するものではなく,かつ政治的責任を負うものではないから,日本国の利益公安を害することはあり得ない旨縷々主張する・・・・が,たとえ個人の資格において参加するものであっても,当時その参加が国際関係に影響を及ぼすおそれのあるものであった」から所論は理由がない。
旅券法
旅券法2

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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