377 子どもの事件/母性優先の原則でなく,主たる養育者優先原則(前編)

子どもの事件(親権・監護権/引渡し等)について,
重要な原則は,主たる養育者優先の原則です。
父であれ,母であれ,過去の日常生活において,
どれだけ多く,かつ密接に子どもの身辺監護及び教育・世話にかかわったか,です。
(子どもですから,土日祝による休日もない24時間態勢の話です。)

    母性優先の原則ではありません。
    そのような原則は,裁判の世界では認められないのです(憲法14条,24条)。
    母親が母親であるが故に,子どもの親権等を保障されるのではないということです。

      一般に,母親の方が,この種の事件では裁判に強いとされてきたのは,
      多くの家庭では,やはり専業主婦やそれに準ずる形で,前記一連の子育ての中心部分を担っていることが実際上多いからです。

      実際,結婚当時は共稼ぎでも,妻は出産とともに,何のためらいもなく?正社員・会社を辞め,
      パートに切り替えたりしてたりしますよね。
      夫はそのままで。

ですから,例えば,
①母親はいつも外で自由気ままに生きていたのに対し,
父親が,現在に至るまで,日常的に子どもの身辺の世話や教育を殆ど全部やってきたという例では,父親が裁判で勝つことにもなりましょう。

②夫婦双方が正社員の共稼ぎのため,いずれも家にいないため,
子育ては,殆ど全て父親の両親が(父の代わりに)懇切丁寧にやっていた場合もあるかもしれません。
その場合は必ずしも母親が主たる養育者とはいえないかもしれません。

③妻の不倫,とりわけこれによる子どもの養育軽視等は,私は極めて問題だと思いますが,これについては,何故か異論が強いようです(注1)。

    ただし,男性は元々このような,きめ細かい世話になれていない人が多く,
    自分が思うほどには,大したことをしていない場合もままありますので,
    自己申告だけで,それが裁判で通ることはないでしょう。

    しかも男性は,大きなこと,より価値の高いことをしたがる傾向にあるので,
    幼い子どもの身辺の世話等の煩雑で細々としたことはむしろ嫌がる傾向があるようです。

以上が,理論的な原則です。
要は,母親が母親であるが故に,保護されるのではないのです。



このように,主たる養育者優先の原則を踏まえながらも,ただ,
実際の裁判で起こること等をより的確に説明するには,更に実際的な話をもした方がよいと思います。

それは,
「母親は子どもを産んだ瞬間から母親になることが可能である。
これに対し,父親は,そうでない例が多く,時には10年くらい経たないと父親にはなれない。」

という心理学の指摘です。

    母親は,出産前の長い妊娠期間の内に母親になる心の準備や態勢が自然にできあがっていく。
    これに対し,父親は,生まれた後,子どもと鋭意接する中で,父親の自覚を育んでいく。よって,父親の方が相当出遅れてしまうと。

    ちょうどプロ野球のペナントレースと同じで,開幕早々抜け出したチームはやはり有利です。

かえって,父親は,子どもが生まれると,お金を多く稼ごうとして一層外で長い時間働こうとする傾向すらあります(注2)。


いくら母性優先の原則は法律上存在しないといっても,
父親には,スタート時点から見えないハンデ等があることは否めないわけです。

(後編に続く)

    (注1)(注2)
    男性は,善意で子どものためにお金を稼ごうとして長時間働くと,「子どもと接する機会が乏しかったではないか」と言われる。
    しかしそうであれば,妻の不倫(悪意による家庭破壊行為)による子どもの養育軽視は,やはり妻の減点事由にならないと公平ではないのではないかと,私は思います。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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