368 弁護士会の家事無料法律相談にて(財産分与編)

愛知県の弁護士会は,その支部等において
家事調停等を起こされて家裁に個人で出頭した人向けに
無料法律相談をするようになっている。
(無料と言っても法テラス,ひいては財務省が出しているから,無料ではないよ)。

そして弁護士は,そこの法律相談員に登録すると,当番制で,
先の家事裁判を起こされた人に法律相談して差し上げるわけ。


愛知県は,お金万能の国なのか,
お金を稼いでくる人が最も偉いと思うんでしょうか,
女性も,他県よりは,家事問題についての知識や常識に乏しい嫌いがあるが,
男性は,輪を掛けて知識や常識,良識がない。

    私は離婚先進国の米国で発祥した?と言っても過言ではない
    夫婦関係調整セラピストのベストセラー本を多く読んでいるが,
    日本でもバカ売れしていても,それを読むのは女性ばかり。
    その売れっ子セラピストによっても,
    男性は一般に,人間関係の問題に関心がなく,
    これを学ぼうという意識がそもそも乏しいんだそうだ(後注)



さて,ここで問題です。

①妻が専業主婦で子どもを育てました,
夫が稼いだ収入で家族が生計を立てました。
婚姻後ローンで夫名義でマンションを買い,支払は終わりました。
さて,離婚の時,このマンションは誰のものになるでしょう。

②妻が売れっ子の仕事をしているので,夫はこれを陰で支えるため,
専業主夫になりました。
婚姻後妻の働いたお金で,妻名義でマンションをローンで買いました。
ローン完済後離婚。
さて,このマンションは誰の物になるでしょう。

③夫と妻は,いずれも会社の正社員,共稼ぎの家庭でした。
婚姻後夫用,妻用と2台の車を買いましたが,いずれも夫名義にしてありました。
離婚しました。
さて,この各車は誰の物になるでしょう。


何度家事の法律相談をやっても,その半数近くは聞かれる質問です。

    答えは余りにも当たり前で,今更こんなブログで書くのも情けないですが
    ①②③いずれも,名義は関係ありません。
    夫・妻いずれも持分や取り分があります。
    (この法律関係の処理を財産分与といいます。)



私は決して,法律が万能だとか,
法律家が偉いんだとか言うつもりはさらさらないんですよ。
むしろそういうもったいぶった態度は大嫌いです。

そんなんじゃなくて,
どんなに知識のない人でも
③なんて,常識的に分かりそうじゃないですか。
素人目に常識的?に見ると,かえって①②の方が難しいかもしれない。
一方は,お金を外で実際に稼いできたわけではないのだから。

せめて③くらいは正解出してよ,と言いたいですね。
知っておいてよ,ではなくて。
要するに,家事関係についてのセンスの問題です。

    なお,夫婦契約により夫婦別財産制を取っていたのであれば別です。



女性は,こんな初歩的な話なら,まだ分かっている人が多い。
男性はダメ。所詮男性は,この類のことは大の苦手なんですね。

    有名な名門私立大学を出ている高学歴の方でも,
    「2台の車は2台ともオレのものですよ」
    と真顔で言われるたりするものだから。
    ・・・・立派な大学出れば,法学の授業とかありますよね
    憲法や民法等の概略の説明があるはずで,
    家族の法律関係も少しは出ると思うのですが。



法律はともかく,せめてもう少し人間関係の問題に関心を持って欲しい。
家事事件は,所詮,相互理解と思いやりなのですから。

    上記①~③で,「オレだけのものだ」と答える人は,結局何を含意しているか。
    それは,「(オレのものなんだから)出て行け」
    「賃料を支払え」
    「不当利得としてお金で弁償しろ」
    です。

    歴史ある夫婦家族関係なのに突然「ホームレスによる不法占拠!」かに言われても困る。

    財産分与の制度は,こうした間抜けな主張を一蹴するためにある。
    しかも財産分与の判断要素として,なおかつ「扶養的要素(=将来の生活基盤の保護・支援)」を加味することができるとされているのは,更に念を押して,こうした非情な論法を封じるためです。



(後注)あるセラピストが著書のはしがきに記して曰く
  「私の父は,ある場所に閉じ込められて亡くなった。
  しかし,そこには,手を伸ばせば届く位置に,脱出するための装置のノブがあったのだ。
  それを父は気づかずに亡くなったのだ。
  私は,このように,知っていれば手を伸ばして直ちに解決できること,
  これを世の人々に知らせたいと思ってこの夫婦関係の本を書いた」と。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:夫婦家庭裁判所家事事件

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