367 こんなオヤジは子どもの面会交流も否定される(後編)

(前回からの続き)

前回の命題を,抽象的なまま形式的に事案に当てはめると,失敗します。

主任調査官ともあろう方が,調査の上「父親との面会を認めるのが相当である」との意見を出してきたことが有りました。

以下の事案は,母親が調停による合意を拒否した審判事案ですので,
裁判所が最終判断を下す必要があり,そしてそのためには,
これに先立ち,双方から直々に意見を聞かねばならない。

すると,面会交流申立ての相手方となった若き女性・母は,
元夫に子どもを会わせるのは,どうしても嫌だという。

私は,立派な主任調査官まで「面会許可相当」と意見を出しているものだから,
最初は前回述べた命題,つまり一般論を振りかざしして,「面会させることでよいのではないか」と繰り返し聞いてしまった。
すると,終いにははらはらと涙を流し「どうしても嫌です。」と訴える始末。

困った私は,打つ手がなく,結局,
申立人と相手方のなれそめから現在に至るまでの事情を順々に聞くことにした。
何か特別な事情でもあるのかもしれない。

すると,びっくりすることが出てきた。

「私は彼を愛していた。ずっと結婚を待っていた。」

「この子のできる前に彼の子3人を妊娠したが,
降ろせと彼に言われて,泣く泣く従ってきた。
彼が好きだったから。」

    これは決してさらりと出てきたのではありません。この場面は特にそうです。
    発言をかなり躊躇った後,少しずつ引き出せた話です。
    もちろん,主任調査官には話していませんでした。

「彼はそうした交際の10年もの間,いくら頼んでも結婚してはくれなかった」
「最後になって願いが叶い,ようやく:結婚,そして子どもを産むことができた。
だから,私は何としてでもこの子を育てて行きたい。」

「彼は,この初めての子に対しても,何もしてくれたことはなかった。
父親らしい態度を示さなかった。そもそも関心なんてなかった。」

「結局,離婚することになりましたが,今になって子どもに会いたいというのは,
私と寄りを戻したいだけのことです。」

私達は,もう言葉が出なくなってしまいました。

その後彼を呼んで聞きましたが,彼女の陳述を乗り越える事実は出ませんでした。


申立ては棄却。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:夫婦家庭裁判所家事事件

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