364 最近の保釈許可と私選弁護人報酬事情

私は,基本的に国選弁護人が中心ですので,
保釈が通っても,保釈金から報酬を戴くということは元々できません。
せいぜい国からの報酬に対し,特別加算理由として申請できる程度です。
10万円前後の国選弁護人報酬に,若干の上乗せはされます。


これに対し,私選弁護人の場合で保釈が通ったとしたら。。。

私は,経験がないまでも,
普通保釈金の中から1割程度は戴けるのかなと思っていました。
例えば200万円の保釈保証金を,本人や親族から申し受けて裁判所に納付したとき,
後に無事に保釈金が返還されたときには,20万円くらいは貰えるのかと。

    実は,好景気だった20年以上前の噂では,1割どころではないとすら聞いておりました。
    もちろん真相は知りませんし,地域にもよると思います。
    例えば,京都のように,国家権力と対決してでも被告人の人権を重視する意識の高い地域では,保釈を取れば,その報酬は高いかもしれません。
    (あくまでも想像ですが,当時私は京都地裁で刑事裁判を担任していました。)。

でも,最近の被疑者から聞いた話では,妙にその手の事情に詳しい被疑者でしたが,
(願わくば,余計なことを覚えないで,早く立派に更生して欲しい(悲!))
愛知県のある地域は,保釈が通っても納付した保釈金から弁護士はお金を取らないことが多いと,別の被疑者から聞いたとのこと。

その被疑者も意外だという顔してましたが,私もです。
噂で聞いていたのとは違うから。



ただ,私が思うのに,
長引く不況で,保釈金からの報酬事情も随分様変わりしたのかな,と思います。
私が噂を聞いたのはバブル経済の後くらいですから。

    なお,今は,私選弁護のみならず,弁護士業務全般に,単価が下がっています。
    国民の権利意識も高くなり,要求事が本当に厳しく,かつ要求自体が多くなっている。

    最近,要求が多い方の依頼を断っちゃいました。

そもそも保釈金は,被告人本人が出すばかりではないです。
むしろ親族の方が圧倒的に多いはず。

では親族は金持ちかというと,今は必ずしもそうではなく,むしろ余裕のない方も多いのではないか。

私選弁護人の着手金報酬だって,親族が出している可能性も高い。

結局,親族は,保釈申請にあたり,
他から借り入れてくることだってあり,利子を払う場合だってあるかもしれない。
もし保釈の報酬をたんまり払って仕舞えば,その親族は借入先に,足らず米を利子を付けて返済しなければならない。

私選弁護人の着手金である程度取ったら,もはや保釈金からは取らないというのも理解はできます。
全国的ではないかもしれませんが。


ついでに,
私が無罪を勝ち取った外国人3名の事件(ただし,国選弁護事件)では,
保釈金が3人で450万円になり,それを被告人らの親戚にあたる方が借りて用立ててくれました。
しかし,判決はその半年後でありましたところ,その間ちょうど政権交代がモロにぶつかり,
アベノミクスによる円安のために為替レートが大きく変わってしまいました。
そのため,判決後に帰ってきた保釈金は日本円で全額戻ってきましたが,その親戚は高額の損失を被ってしまいました。


被疑者情報のとおり,保釈金から取るのは,今は,意外に難しいのかもしれませんね。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:刑事問題弁護士

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