362 老いた親の世話と,その巨額預金の帰趨(後編)

(中編からの続き)
母の預金を大いに使った1人の息子が
生涯母親を面倒を見る約束で贈与を受けた,
という主張は,どうでしょうか。

もちろん,それもない絶対にないこととまでは言えないでしょう。
年老いて心細くなった母が,息子から
「死ぬまで絶対に面倒見るから」と言われると
感謝感激の余り,
「この預金全部お前のものにしてよいよ」と,
もしかして,もしかして,もしかして言うかも?知れません。

しかし,仮にそれを言ったとしてもあとで後悔するのではないかしら。


ところで,お母様はそんなお金はどうして貯めたのでしょう。
老後何が起こるかわからないからですよね。

息子が世話してくれることになったからといって,それが全部不要になるとは限らない。

そもそも,いつまで生きるのかは本人だって分からない。
息子は,80くらいで死んでくれないかなと内心思っても,本人の意識は違う。
(「早く死にたい」ないて言う人ほど,実は長生きしたいと求めているという)

息子が後に気が変わることだってある。仲違い等もある。
関係が近いと喧嘩しやすい。


これらからして,母親が女の半生を賭して貯めたお金を,
生きている内に,つまり
これからいつまで生きなければならないか分からない間に,
世話になる予定の息子といえど,事前に全部差し上げるようなことが本当にあるのか,
本当にそれで良いのか,です。

もし万一母が口をすべらせて「お前に全部やる」と言った場合でも,
特別の事情でもない限り,
それは,せいぜい「お前のお陰で天寿が無事全うできたらその後,残りは全部やる」
くらいの趣旨ではないか。


例外はもちろんあるものの,
結局,世話をするのにかかった必要な経費を息子が母親の貯金から引き出して使うことの承諾を受けている程度と見るのが事の本質を伝えているのではないか。
つまりその余(残余)をもし勝手に使えば,後に他の相続人から,不当利得請求を受けるのではないか。

面倒を見ている側は,いつも母が側に居ますから,母とはよく話し合って,例えば,
折に触れて,なにがしかのお小遣い等を戴くことなどは比較的容易にできるでしょうし,
亡くなったことを条件に残余預金の贈与を受ける死因贈与という合意を取り付けることも可能ですから。

    面倒を見た子の貢献はどうしてくれるって?
    母親の扶助をするのは子として当然の義務です。
    あたかも母親が自分が小さい頃無償で育ててくれたのと同じとみるべきだと思います。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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