356 遺言書の検認手続でも夫婦愛ドラマ?

語弊を恐れず言いますが(まず最初に謝罪しておきます。),
裁判所の仕事,もっといえば,裁判官及び裁判所書記官の仕事の中で最も面白くない?
とされているものに,家庭裁判所における遺言書の検認手続があります。

なんていうことはない,
親族らの前で,裁判官及び書記官立ち会いの下,
遺言書を開封するなどして,中身を確認して調書に残す等だけ,です。

その遺言書の有効無効等の確認やそのお墨付きをするのではぜんぜんなく,
書いてある内容等をただ記録等するだけ。


私が担任したときは,実に立派なレターナイフが,小振りの法廷に置いてあり,
書記官がうやうやしく,その立派すぎるレターナイフで遺言書を開封するのですが,
ナイフが立派なだけで,法的な効力を保障したりするものではないのです。

    だからなのか,中にはいつもつまらなそうに不機嫌そうにしている書記官さんもおり,私は,注意したことがあります。
    「我々にとっては,毎度のことでも,
    お客さんは,初めての方が多いのだから,それは失礼だよ」と。

    もちろん,本音を言えば,裁判官にとっても,
    丁々発止やる普通の裁判の方が,やりがいがあると言うのではないかと思います。
    心の中では,ですよ,あくまで。



ただ,私が担任した時,10回に1回(遺言書10通に1通)くらいは,
遺言書というよりも,奥様への感謝の気持ちが書き綴られているものがあるんですね。
「君のお陰で,私は生涯本当に幸せだった」と。

それを法廷で読み上げますと,
遺言書検認の申立人である遺言者の妻は,決まって一瞬あっけに取られたあと,泣き出すんです。

当然財産の有無等や相続の行方を思ってこの検認手続を申し立てたんでしょうし。

私は,このオヤジ,粋なことするなぁ,と思ったものです。


財産は,沢山相続してもしなくても,元々は他人のものですし,所詮物・お金ですから,使っていればいずれなくなります。

それより,単なる言葉のプレゼントかもしれませんが,こういうのは感動するし,その遺言書は,奥様も死ぬまで大事に取っておくのではないかと思います。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:夫婦家庭裁判所家事事件

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