346 保険会社が支払拒否の態度を貫く事例(前編)

日本の保険会社は,渋ちん,
なかなか保険金を出したがらないなどと言う方がいます。
少なくともそう言う意見は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ただ私は,それは正しくないと思います。

一般には,交通事故の損害賠償でいえば,
訴訟で,保険会社が損害額を争っていても,第一審判決が支払えと言えば,
ほとんどの場合,控訴もせずに,支払うことが多いです。

    もとより第一審裁判所の明らかなミス等は別です。
    その場合は控訴審で適切に直して貰って,その額を即座に支払います。

交通事故等における普通の弁護士介入示談だと,一応支払期限を2週間後程度に設定しますが,
大抵1週間以内,3,4日ほどで支払ってくれます。

訴訟上の和解では,保険会社にも弁護士がついていたりする関係で,
弁護士による和解調書のチェック等による期間も含め,念のため1か月後の支払期限を設けるのが通例ですが,殆どの場合,その期限よりもずっと早く支払ってくれます。

    保険金事案ではない一般民事事件では,弁護士介入示談や,訴訟上の和解の際,
    必ず支払義務の条項に併せて懈怠約款条項を付けます。
    期限内に支払わなかった時のペナルティー条項です。
    一般の民事事件の場合,それで支払に心理的強制を促すわけです。

    ところが,保険会社との示談又は訴訟上の和解では,
    保険会社が違反する例がかつて皆無なので,懈怠約款すら付けません。

    現に約束の期限よりも遙かに早く支払ってくれます。
    被害者にとっては,やはり有り難いことです。

    なお,弁護士特約付き保険に基づく弁護士依頼による弁護士報酬も,
    担当弁護士が保険会社に請求してから1週間もせずに支払ってくれます。

    方や国選弁護人の弁護報酬は,平気で1,2か月後にされてしまいます。

      しかもかかった費用はまず弁護士が立て替えておく必要があるのに,その支払いは報酬と同じ時なのです。
      とりわけ外国人被疑者・被告人の場合,
      高額の通訳人報酬等の支払を弁護士が立て替えなければならず,なのに支払は遅いのです。
      人手が足りないこともあるでしょうし,お役所流のチェック体制も原因かもしれません。

      最終的に国は確実に支払ってくれはしますが,独立して間もない弁護士にとっては,国選弁護人報酬及び費用の支払の遅さは辛いです。

    これに対し,報酬やかかった費用を即座に支払ってくれる保険会社は,大変に有り難いです。
    弁護士がやりやすければ,結局被害者の保護につながります。
    弁護士特約付き保険を勧める理由です。

要するに,保険会社は何でもかんでも支払を拒むわけではないということです。

もちろん,保険会社は保険会社なりの保険金の支払基準があります。
それは,裁判所基準よりも一回り小さい額の基準になっています。
そのギャップをすぐさま支払わないことを渋ちんと言うかは別ですが,
裁判所が正当に決めた金額を,自社の支払基準を盾に拒んだりすることはありません。


このように,何でも保険会社を悪く言うのは間違いです。そこはとにかくまず注意が必要だと思います。
(後編に続く)

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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