331 「立派なお父さん」と,子どもとの試験的面会交流

別居又は離婚した相手(ex.母親)が子どもを(事実上)監護養育している場合に,
子どもに会いたいときには,面会交流の申立てを裁判所に起こします。

そして,この場合
お父さんが子どもを奪って返さない危険があるとかでない場合で,
なおかつ,何よりも子どもが,父親に相当なつき慕っている時は,

多くの場合,母親も,普通面会を拒絶することはないので,
すんなりと,面会交流の実施に至るでしょう。

本当になついていた場合は,裁判申立てすら不要なこともあります。

裁判になっても,婚姻費用や養育費のケアをきちんと約束を取り付けることで
上手く回っていくことは,ままあります。


ただ,如何せん,お父さんは,日本の場合,
会社に拘束される時間がやたらと長く,結局,何かと子どもの生活とすれ違いになっていたりします。
お父さんの子への思いは強くとも,実は空回りしている場合があります。

    例えば,仮に奧さんが同じ職場でも,奧さんは午後5時に退社するのに,お父さんは,何かと遅かったりするのが普通です。

    奧さんは出産を機に会社を辞めたりします(まるで当然の様に!?)
    ところが,お父さんは,子どものために会社を辞めるという例は,私は少なくとも聞いたことがない。

しかも子どもの扱いが上手な男性は必ずしも多くないという現実もあります。
そんな中での,仕事ばかりしていることのハンディキャップまで加わるわけです。


平成一桁台の古いころの話です。
父親が自分の思いや,自己評価の割りには,子どもと対話が必ずしもよくとれていなかったりする例だったと思います。

    誰しも,自分のやったことは高く評価する傾向があるものです。
    一度でも子どもと一緒に何かしたり,子どもに何かして上げると,しょっちゅうやっているように思い込んでしまう。

    日本の企業は忙しいので,1週間はあっという間に過ぎます。
    先週子どもにしてやったことが,昨日のことのように,つまり「こんなにもよくやっている」と思うわけ。

    実際出してくる証拠も,その自信のわりには,子どもとの強い関わりを示すシロモノではない。
    (まるで履歴書に「そろばん4級」を書く人みたいに,面接官は全然説得されない。)

    特に,会社等では真面目に働いて立派な社会人であればあるほど,プライドが高くなる一方で,
    その反面,子ども達への接触やケアは,実はたいしてできていないこともままあります。
    にもかかわらず,ちゃんとした父親だから,子どもに一人で面会しても上手くやれるはずだと誤解しやすいのです。
    しかも,別居が長くなると,既に壁が1枚2枚とできあがっていることもままあります。



そういういきり立った?お父さんが,申し立てをすると,
お母さんも,会社奉仕人間の実情,つまりは長年の子どもの監護養育の事情を分かっていますから,
「そんなこと言ったって,子ども達とちゃんと話ができるの?」
というわけ。
「(子どもがなついていたとしてもそれは),私がお父さんに可愛がって貰いなさいと仕向けたから」と。

社会的名声や収入たっぷり,プライドもたっぷり,の父親は,「そんなはずはない」と言うわけ。


こうした場合,裁判所は,子どもの意向を聴取しつつ
よほど父親がちゃんと面会できるという確証が取れないときは
「試験的面会交流」を試みたりしてくれます。

    家庭裁判所内部の,子供用のおもちゃが取りそろえられている部屋で
    調査官が,遠巻きに立ち会い介助の下で,テスト面会を実施するのです。
    (母親は立ち会わない)

    すると,本当に社会的に立派で,非の打ち所のない方,収入も軽く1000万円超えているような方でも,全く子どもとのコミュニケーションが取れず,空回りしていたりするのです。
    子ども達は,固くなっている父親そっちのけで,調査官に話しかけてじゃれたりしているとか。

    それもそのはず,そのお父さんは,日々社会に貢献していて,逆に子どもと縁遠くなっていたのです。

社会的に立派な,そして人間的にも誠実で,収入も高いお父さんは,かなりがっくりきていました。


会社を辞めずに,歯を食いしばって頑張ってきた(もちろん家族のためもある)
だからこそ,社会的に立派で,名声も収入もあるのですが,
そうだからといって,それを理由に子どもが慕うのではない。

如何なる理由であっても,結局家庭への関与が減少するなら,子どもと縁遠くなるのは当然かもしれません。


世の中,難しいですね。

参考
379 子どもの親権等の取得に経済力は問題にならない。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:真の教育調査官家事事件

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