324 少年非行事件の問題点の探り方

少年事件は,教育と更生を重視するものです。

犯罪事実,つまりしでかした結果ばかり見ていれば良いのではありません。

まさに,罪を憎んで人を憎まずという態度,思いやりの気持ちが,大人以上に強く要請されます。


では,少年事件の場合,如何なる視点や思考で検討したら良いか。

それは,非行が起こった原因を3段階で検討することです。

①非行をした直接の原因・事情
②非行を呼び起こした間接的な原因・事情
③非行に至った根本原因・事情

①→③に従って,問題点の探り方がより深くなっています。

①は,非行の直接の引き金になった直近の原因・事情です。
例えば,「友達に誘われたから」
「相手にガンを付けられたから」等々。
自転車窃盗なら,「足がなかったから」とか。

②は,①に対する反応を促進した原因・事情
例えば,
学校で先生と全然うまく行っていないとか,
試験に失敗した,レギュラーになれないなどの夢が破れた等々。

③は,もっとより根源的な,特に家庭内の強い葛藤等
例えば,親との折り合いの悪さ・葛藤・仲違い等,
親の離婚,そして新しい親との葛藤や精神的肉体的虐待等です。


非行の中には,①のみで,②③はさらさらない,という例は多くあります。
いわば気まぐれ,突発的・偶発的で例外的な非行も実はかなりあります。
ジュースやパン1つの万引き,それも初めての場合に(これも悪いことです!),
『愛情飢餓(=親の愛情が欠損していた)』が当然に推測されるのではありません。

    主婦の万引きの繰り返し事例のように「夫からの愛情が受けられなかったから」,
    みたいなものばかりではない,ということです。

足がないので初めて自転車窃盗をした場合,悪いのは当然ですが,
だからといって,
学校不適応状態にあるとか,
暴走族等との親和性があるとか,
ましてや親との葛藤が背景にあることには普通はなりません。
(ある時もありますが,大抵の場合はむしろそうではないのです。)


また①及び②まではあっても,③まではないことも結構あります。
②の学校で上手く行っていないのは,
なにも親との葛藤があるとか虐待がある場合ばかりではありません。
むしろ,家庭環境とは無関係に起こることでしょう。


少年事件で何よりも最も深刻なのが,①②のほか,③をも具備している場合です。

子どもの精神は疲れ切っており,大変深刻な例もあります。

    少女の売春の例は,多くの場合,③の家庭内の要因を持っていると推測して取りかかってもよいかもしれません。
    もちろん,友達に義理立てして単なる仲間意識でやることもありますし,
    中にはあっけらかんとした売春等もあるでしょうが,
    両親がきちんと愛情を注いでいたら,なかなか起きえない非行類型であるからです。

    リストカット等もそうですが,自分というものを否定するかの非行は,その傾向があります。

そして,もとより社会的には絶対に許されないことですが,
秋葉原の例の無差別殺傷事件の被告人は,大人ですが,幼少期から受けた虐待は半端ではなかったと聞きます。

    「よくもここまで酷いことをやりきるな」というおぞましい程の事件は,大抵そのような過酷な幼少期を送っているようです。

    逆に,両親からの愛情をたっぷり受けて育った少年は,時に犯罪をした時でも,前者のような殺伐とした事件は起こさないと言われています。
    被害者に対して徹底的にやりきる等はしないのです。私の仕事上の体験でもそうです。

    小さい頃の過ちに対し,子がどんなに泣いて謝って,許してと懇願しても,情け容赦しなかった親に育てられれば,後々にどうなるかは常識的に分かる気がします。
    そしてまたその逆も真なりです。



世間ではよくこう言われます。
「子どもを甘やかすのはよくない」
「そもそも親のしつけがなっていない」と。

しかし親の愛情が足りないくらいなら,多すぎる方がはるかによいと,この業界では言われています。
親ばかくらいがちょうどよいのでしょう。

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