304 公道を挟む市の建物二棟を上空で結ぶ-公道の使用権限

岡崎市とか,豊田市とか,なぜか愛知県には,
2つの庁舎を空中の渡り廊下で結ぶ建築がある。

つまり,公道を挟んで2つの土地にそれぞれ市役所庁舎があり,
離れているため,公道を空中でまたぐように,渡り廊下で結び,
もって両方の庁舎の行き来を可能にしている。

    しかも豊田市は,地下の通路があるのに,空中も渡り廊下を作っている。
    (屋上屋を重ねている点でも大いに疑問がある。)

こうしたことは,安全性確保も含め,結構な公費が使われているのではないか
またそもそも公道の道路の上を使って良いの?との疑問がわいてくる。


公道とは,勿論,公のものだ。
だから,個人が,勝手に道路の上(空中)や下(地下)を使ったりしてはいけない。
地上に物を置いて,他人の通行の邪魔さえしなければ許されるのではない。

    しかも所有権とは,その土地の範囲であれば,上も下も限りないところまで所有権が及んでいるから,他者が勝手に,空中や地下を使ってはいけないのだ。
    その土地の上下を使うためには,土地の所有者から賃借権や地上権等を設定して貰い,賃料等を払って使わせて貰うことになる。



なぜ市役所は公道の上空を利用するのが許されるのか
公道は市や国等が管理しており,お手盛りもしくは,それに近いことが可能だからだと思う。
市道であれば,それこそ議会で決めれば,自分達の都合の良いように使用権限を設定できる。

市役所の庁舎同士を公道の上空で結んでまたぐのは,
その架橋設備は,職員のみならず一応一般市民も使えるとはいえ,
どうも腑に落ちない。

    例えば,私人が同じ事をしようとしても,許可してくれないだろう。
    個人はともかく,そこそこの大企業,例えばスーパーマーケットにして,市民の多くがそこを利用する事例でもまず無理だろう。

要するに,部外者の意見は通らなくて,市役所の職員の都合であれば,すんなり通ってしまうというのは,やはりお手盛りでなくてなんだろう。
インサイダー取引といったら拙いか?


市役所が持つ公道の両脇の土地なら,それこそ上でも下でもどう使おうと勝手だ。
そしてその土地上の市役所の庁舎の建て直し等は,市役所の固有の権限かもしれない。
しかしながら,そうした自己の土地利用等に関し,併せて公道を使うかどうかは別の話のはずだ。

    市役所の土地に市役所の建物や廊下等を作ること自体は,公の目的が一応あるとしよう。
    しかしその公共性と,公道の上空を使わせてもらうこととは別問題だろう。

    議会等の議決がある以上,もちろん違法ではないかもしれない。
    ただ,不公平感が残るような気がしてならない。

    市民からすれば,単に市役所の都合にすぎないのに,
    「公道利用は公の目的がある」と言い張っているように見える。



【橋下大阪市長の労組退去命令は違法?】
ところで,最近,
橋下大阪市長が,市役所の労組に建物を使わせることを禁止して,追い出したところ,組合の団結権を侵害したとして違法だと判決されていた。

私は,労働法のこの論点は,詳しくないので,あくまで個人的な感想を述べる。


職員は,仕事中に組合活動してはならないはずである。
そうした中,組合活動は市役所の庁内のある部屋等ですることを保障しなければ,成り立たないかというと,そうでもないのではないか。

    市長に対する団体交渉自体は,市役所の庁舎内でないとできないだろうか,通常の組合の団結や意思交流等は,そういえるのか。
    現に外で活動する場合も多々あるではないか。
    これを市が組合に優先的に利用させるよう提供すべき法的義務を負担するのか。

    例えば,組合が複数あるとき,どうするのか。
    市はその数だけ部屋を用意するべきなのか

    複数組合中どれを優先するか,構成員の人数か,組合ができた順番か

労組以外の個人や団体に同様の利用を認める余地があるならともかく,さもなくば,他の団体等との関係で不公平にならないか。
かえって,市の庁舎内に組合活動の部屋があることで,組合に入りたくない職員を事実上暗に加入を強制する結果にならないか,それは配慮しなくて良いのか。


市役所の職員は,解雇等は基本的になく,高い給与の保障のほか3000万円の退職金等もある。
そんな中で,一つの組合のために独占的に庁舎の一角を割り当てて提供せよというのは,市民からみると,どうしても腑に落ちない。

    先の複数組合の競合の例に照らせば,
    組合の占有とは,要は,単なる場所的利益(=既成事実的利益)にすぎないのではないのか。



この独占利用は,先の公道を堂々とまたいで渡り廊下を作る例と同様,どこかもやもや感じが残る。

結局俗に言うところの,お手盛り,インサイダー取引,やった者勝ち(早い者勝ちと既成事実保護)等にならないか。


公務員の都合があることが,すなわち公共性を有することになるのではない。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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