298 子どもの無断連れ去りとハーグ条約,そして調査官制度

大阪家庭裁判所は,2014年11月19日,日本で初めてとなる
ハーグ条約適用の裁判をして,子どもの連れ去りに対し,連れ戻す審判を下しました。

ハーグ条約は,日本がずっと批准を拒んでいたという曰く付きの条約です。

    確かに,日本国内の裁判では,
    夫は,妻に子どもを連れて出て行かれたら,ほとんど絶望という裁判が未だに繰り返されています。
    夫がどれほど,子どもに熱心に関わり,身辺監護のほか,様々な指導や接触を密にしていても,
    そして,なんと妻が不貞等していても,です。

    逆は,取り戻しが認められることが多いのですが,夫からの取り戻しは極めて困難です。

    調査官制度による限界かもしれません。
    調査官は,何故か遠くまでは出張や調査には行きません。
    ・・・・戦後の制度ですが,戦後70年,もはや制度疲労を起こしています。

    ボトルネック。



ところで,子どもの裁判は,子どもの福祉を目的として行われるため,本来,
主たる養育者優先の原則こそが最も重視されなければならないはずです。

    子どもの福祉の観点からすれば,
    出生このかたの父or母の子どもとの関わりがどうだったか,
    とちらが密接で,どちらがより子どもの福祉に貢献してきたかこそが重要だからです。



ところが,日本の裁判所は,実は必ずしもそうではないのです。
いったん奧さんが連れて出て行ってしまったりすると,
奧さんがナマケモノで,浪費癖もあり,かつ不貞していても,取り戻しは困難なのです。

    裁判所は,結局,子どもの身柄が今どこにあるかを重視するからです。換言すれば
    (連れ去り後の)現在の子どもの状況を変更するのに大変に躊躇するからです。
    ・・・・元々の生活環境に戻すだけでも,です。

      元の生活環境に戻すという中にはもちろん,
      保育園や小学校の友人達やクラブ活動の親しい仲間の元に戻す意味も含まれます。

      子ども達は親しい友達と離れて未だ見ぬ土地の学校に行きたいなんて思いませんよ。

いったん母親によって無理矢理動かされたとはいえ,裁判所は,今更そこから再び動かしたくないので,
何かと母親の方を持つわけです。

    いくら不公平だと主張しても,「母親と子どもの相性は悪くない」と専門家たる調査官をして言わされてしまえば,当事者(父)はもう手も足も出ません。

    しかも遠くに連れ去ったら調査官は遠出しないのでもはや調査できません。
    その程度なら専門家というな!

    弁護士が委託を受けたら,日本全国津々浦々何処にでも飛んでいって調査するというのに。

そうだからこそ,ハーグ条約の批准が遅れていたのでしょう。


ただ,今回,批准したからといって,それは,国際間の問題であって,
日本国内同志では,適用にならないでしょうから,やはり今までどおりの裁判が続くと思われます。

父親にとっては,日本の家庭裁判所の運用は,絶望的といってよいでしょう。

日本の裁判所の基準は,世界に通用するものでしょうか。

参考文献:国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約

【NHKのサイトから/保存版として】
大阪家裁-ハーグ条約

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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