291 DV夫から養育費を取り立てる

元夫が,DV夫だった場合でも,子どもの養育費だけは欲しい。
そのお気持ちは当たり前のことです。
養育費は,子どものためのものだからです。

また,奧さんには暴力を振るっても子どもは可愛がっていたことはあるかもしれません。

    この点,DV夫は,外面はよく,内面が悪いのが特徴。
    仕事は真面目にしていたりする。

    ただし,刑務所に入ってしまう程のDVの場合は別です。
    そもそも仕事はなくなっているから,お金はないはず。



DV夫は自分勝手ですので,ほとんどの場合払おうとはしないでしょう。
「お前が勝手に出ていったんだから払う理由がない」
と,普通の夫以上に強く言うでしょう。

奧さんとしても,とにかく会うのが怖い,
押しかけられるのが怖いということになると思います。



そんな場合,夫の給与を裁判所に取り立てて貰う方法があります。
会社からの給与を差押えるのです。

この場合,予め裁判所に上申すれば,奧さんの居場所を伏せての申立てはできます。

ちょうど10年ほど前に私が裁判所にいたころ,
申立人の居場所を書かないやり方ができないかが問題提起され,議論されていました。
強制執行は厳格ですので,本来は考えにくい便法なのですが,その後,その議論が実ったようです。

結局,強制執行は,相手方の住所については絶対に厳密に特定しなければならないが,
申立人の居場所については,特に事情がある場合は,伏せての申立てもできるようになったのです。

    ただ,言うまでもないことですが
    元夫の給与に対し,強制執行をするには,事前に裁判で離婚判決等で,養育費の支払い義務が確定していることが必要です。
    口約束や念書等ではダメだということです。
    (DV夫の場合,口約束等すらないと思いますが)

    前提としてその辺りの難関はありますが,
    それで支払義務が確定できる程度の相手方であれば,上記手段は一応有効だということです。

    外面だけはよく,会社では極めて真面目に働いている場合もありますので。

    ただ,なんと言っても,元々法を守れない身勝手な方がDV夫です。
    中でも,警察に逮捕勾留されてしまうような方なら,そもそもお金は取れませんから,上記手段は意味はないかもしれません。



なお,DV夫と離婚する場合でも,一般の離婚と同様,
調停を経てから離婚裁判に入るという二段階の手続を踏む必要があります。

ただ,最初にする調停では夫と会う必要はありません。
調停申立てにDVと明記しておけば,裁判所は手厚い配慮をしてくれます。
その辺りは,家庭裁判所に問い合わせて下さい。

    この家庭裁判所の配慮は,
    DV禁止命令の申立てを経ているかどうかに関係なくしていただけます。



補注)
【申立て先裁判所】
◇ DVに関する命令の申立て
・・・・地方裁判所
◆ 離婚調停,離婚訴訟,養育費の審判
・・・・家庭裁判所
◇ 離婚調停や離婚判決,養育費の審判に基づく給与差押え
・・・・地方裁判所

【申立費用立替えの相談窓口(経済困窮者向け)】
法テラス

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:家事事件民事裁判

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