274 消費税を争点とする衆議院解散の可否(憲法解釈論)

衆議院解散の可否・・・・憲法解釈論です。

衆議院の解散については,郵政解散が記憶に新しいが,
今回の消費増税を争点にする解散ができるか?


憲法69条は,内閣不信任案が通った時に解散すると規定されている
これを根拠に,内閣不信任案が可決された時のみに解散が認められるとの説がある。
しかも国会は国権の最高機関である(憲法41条)。

しかし,69条は,内閣不信任案が可決されたときに,内閣はどうすべきかの対処法を定めたもの。
この場合でなければ,解散できないとするのは説得的でない。

しかも国会が最高機関とされている(憲法41条)ゆえんは,
国会が選挙を通じて国民の意思を反映して,統一的な国家活動をするため。

従って,何らかの事情で,この点に疑義が生じた場合には,後記のとおり,民意を再び問うことで,国会の正統性を復活させることは許される。


【総理大臣の解散権発動の基準】
①前回の選挙時に直接の争点とならなかった重大な問題が生じ,議員の任期満了を待たずに,その争点について国民の意思を問うべき相当の理由がある場合
②国会の統一的な意思形成力に疑義が生じ,内閣として責任ある政策形成が行い得ないとき。
以上の場合は,衆議院の解散をして民意を問うべき。
(青林 佐藤幸治憲法第三版169,170頁)

    消費増税については,
    ア 消費税は,かつて導入した政権が倒れたり,その後に景気が後退したり,国民生活に影響と関心が元々高いものであった。
    イ 消費増税の法律はあるが,ただし直接的には選挙で国民の民意を問うたことがなかった
     (経済浮揚策としてのアベノミクス政策について民意を問うた。)
    ウ その法律制定後,政権も代わっただけでなく,経済政策も大きく転換した。
    エ 8%への増税後の景気の落ち込みが激しく,10%にした場合の景気後退のリスクは現実的なものとなり,その結果,消費増税を見送るべきだの意見が強まりを見せている。
    オ 各紙の世論調査を見ても国民の70%以上が,消費増税の先送りを求めている。
    カ 理論的にみても,財政均衡の要請と,景気後退をさせない要請が拮抗・対立している。
    キ 前記法律は,三党合意によって成立したところ,仮に自民党自体はアベノミクスによる変化があった(選挙もあった)としても,前記法律は前政権与党の民主党や公明党の賛成があった以上は,単独過半数を有する現自民党のみで法律を改廃して良いとはいえないこと

    以上のとおり,
    現に消費増税の法律が現にある中にあって,以上の状況の変化や国民生活への影響等を踏まえるなら,法律を変更等すべきか維持したまま増税するべきかは,やはりしっかりと民意を問う必要があるとの考えは成り立つといえる。

    よって,消費増税の可否や法律をどうするかにつき民意を問うべく,衆議院を解散することは十分に可能。

      なお,選挙の結果,増税賛成派の議員が多く当選して,消費増税法案の改廃を認めなければ,結局増税となる。
      私のように,将来の社会保障に不安な方々は増税を是とするかもしれない。



以上,憲法解釈論上の消費増税を争点とする衆議院解散の可否について論じた。

あとは,安倍総理のお考え1つ。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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