213 弁護士への規制緩和策としての過払金事件

ここ何年間,サラ金の過払金変換訴訟や,示談交渉等の事件が爆発しました。

裁判所に係属した事件だけで2割~5割増しくらいになりました。
裁判にならないのを含めれば,まさに爆発的に増えたわけです。

そして,その中で,グレーゾーン金利の運用や悪法は改められ,
国民に金利上の正義が回復しました。


実は,それを促し,支えたのが,最高裁判所の一連の判決です。

っていうか,むしろ,最高裁判所はただ単に,
金融庁等の新方針に従ってやったというのが本当のところでしょう。

    過払金訴訟が群発する前のころに,
    日本の金融のダブルスタンダード・グレー金利が世界的に疑問視され,日経新聞でも,その改革に金融庁等が乗り出しているとのリーク記事が出ました。
    日経新聞といえば,財務省や日銀・金融庁等のPR紙のようなものです。

    その時は,「へー,でも日本にこれをできるのかな」と思いました。
    どうせ昔からある手口,「日本は特殊,世界とは違う」論をふりかざすのだろうと思ったのです。

    ところが,その記事からまもなくして,
    次々に最高裁判所判決が出,弁護士による過払い金訴訟が群発したわけ。

    もちろん,過払い金訴訟は以前から細細とはあっても,最高裁判所判決がない限り,群発はしない。



このように,過払い金に関する最高裁判所判決は,
国民に正義を取り戻したのですが,
弁護士等のいわゆる業界からみれば,
司法における規制緩和,
ニューディール政策,つまり
不況時における公共投資のようなものだったかもしれません。



最高裁判所による反対の例もあります。
ネットでも調べれられて下さい。

なお,1つだけ。
かつてこんな最高裁判所の計画もありました。
訴訟費用の敗訴者負担制度の導入です。
その心は,増大する訴訟を減らし,裁判所の負担を減らそうというもの。
こうすると国民が敗訴を恐れて訴訟が慎重になることを狙ったのです。

しかし,弁護士会は当然猛反対し,未だに実現していません。
というのも,弁護士のホンネは,恥ずかしながら,収入が減る。
と同時に,国民が自粛,つまりは泣き寝入りを誘発,
結局法の支配を貫けなくなる。


以上を要するに,
最高裁判所の持って行き方1つでも,大きく変わる側面もあるのです。

    極論すれば,
    弁護士や弁護士制度を活かすも殺すも,
    そして,国民の手に正義を握らせるのも,振り解くのも,最高裁判所の施策にも少なからず掛かってくることです。



もちろん,アベノミクス等,国の経済政策じゃないんだから
何でも訴訟を増やす誘導策を最高裁判所が取れるはずがないし,
弁護士会も,さすがにそんな破廉恥なことを要求することはないわけ。

ただ,過払金のような問題のある世界も,実際にはあります。

例えば,ブラック企業問題も最近社会問題化しています。
いじめ問題も依然として何ら改善されてはいません。

    日本は,問題がないのではないのです。
    事なかれ主義のために,とにかく抑え込みにかかるのです,
    組織防衛です。問題を隠蔽するのです。



ですから,最高裁判所にはあくまでも
証拠のアクセス不能遮断によって正義が貫けない事例群に着目した施策を願いたい。

多くの心ある国民から見て,「さすがにおかしいだろ」と思う結末の事件は,証拠へのアクセス改善等をして欲しい。

    実は,最高裁判所による「過払金訴訟容認施策」の中にも実はこれもありました。
    過払金を請求する側(多く弁済しすぎた側)が,サラ金業者に,貸付及び返済の履歴開示させることを認めたのです。

    最高裁判所は,まさにこれをしてくれたらよいのです。



せめて立証責任の緩和等や,
事実認定にまつわる経験則の改訂等でも,
正義の実現に大きく前進します。

    良識ある国民が,「そんなアホな」と感じる結論は,
    伝統理論的には正しくても,どこか間違っているのでは?

    そんな運用の改善のなさ加減が正義を国民から遠ざけるのです。
    法律家を遠ざける,法による解決を求めなくなるのです。



【改善遅れの理由】
ところで,過払金のほかは,
なぜ最高裁判所は,正義に関わるかもしれないのに,なかなかしないか。

それは,事件が増えると裁判所がパンクするからです。
実は,ただそれだけのことなのです。

    語弊を恐れず言えば,
    「弁護士を増やせば日本に正義が戻る,法の支配が貫徹される」は,実は問題のすり替えでもあったのです。



【参考】
212,215,216の投稿

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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