200 現行の上告制度等の問題点

現行の上告制度は,極めて狭き門になっている。
上告は,言わずもがな,最高裁の判断を求めるものだ。

ただ,現行制度の下では,極めて狭き門になっている。
三審制や如何に。。。


現行の上告制度は
①法令・判例違反について許される上告受理制度
②憲法違反や手続違背についての絶対的上告理由による上告
の2つがある。


①は,
・原判決に最高裁判例と相反する判断がある事件
・最高裁判例がない場合にあっては、大審院又は上告裁判所・控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある事件
その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件
である。

しかし,高等裁判所であれば普通①は滅多に存在しないはず。

しかも,この制度趣旨は,
旧民訴法では、結論に影響を及ぼす法令違背も上告理由となっていたが、増大する上告事件により最高裁の負担が大きくなり、法令違背については裁量によることで最高裁の負担軽減を図ったもの。
元々入口を狭くする趣旨である。


②も,高裁判決に憲法違反等なんてそうあるものではない。

加えて,民訴法312条に掲げる「理由不備や理由なし」も,厳格に解釈されてしまうと打つ手がない。
・・・・高裁による重要な証拠の見落としや,重要事実の誤りが高等裁判所の判決内に繰り返し存在してもなお「単なる事実誤認」とされてはどうしようもない。


私が,今回特に問題にしたいのは,この制度枠組の下で,
果たして,「権利濫用」や「信義則違反」
という一般条項による最高裁判決(逆転判決)があり得るのか。



一般条項違反は,
個々別々の法律の条文に違反せず,形式的には合法性を装っていても,それを放置してはかなり問題がある様な事例である

最高裁はかつて,このような事案に積極的に用いてきた節がある。
私が遠い昔の受験生時代にも,
最高裁が一般条項で,高裁判決を破棄して,具体的妥当性を図った事案もいくつも見てきた。

地裁・高裁は,一応各個別の条文に違反しない事例では,問題点を認識しつつも,なかなか違法と断罪できないことも多い。


だからこそ,最高裁に期待が寄せられるわけ。
しかし,形式法令に違反しない案件を,このようなわざわざ間口を狭くするための制度内で採用してくれるかは疑問がある。

このような場合,上告受理をしない理由はすぐに見つかるが,受理をする理由を見つけるのは難しいから。

    上告受理申し立てをする側はもちろん「その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」と思っても,しかしそれは一般条項違反にすぎない。

    要するに,個々の法令に違反しない案件は上告受理しないとすることはたやすい。



抗告についても同じだ。

許可抗告につき,一般条項違反を取り上げてくれる可能性は極めて少ない。
かといって,特別抗告で憲法違反としてくれることは皆無に等しい。


最高裁を楽にする入口制限だから,如何ともしがたい。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:The Rule of Law民事裁判

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