83 最高裁判所事務総局の春

大物元裁判官の瀬木比呂志さんの本を読むと,
最高裁判所事務総局が明に暗に絶大な権力を行使し,
しかもそれが,かつてないほどに大きくなっているという。

情実人事も多くなり,辞めさせられる裁判官も増えた,
相当上り詰めても自分から辞めていく人も増えたという。



この本は数字や統計データがないので,私は不満であるが,それはさておきます。
これが正しいと仮定した上で,私が本を読んで想ったことは,
最高裁事務総局にとって,今は春を謳歌しているということかな,と。



長引く不況や,何よりも弁護士が大幅に増えたことで,裁判官を採用する側は,大変な買い手市場。
この状態が,ここ何年も続いている。
また,そうやって大変な競争の中で採用された人間は,心底採用側にけなげで一生懸命,極めて従順。

そうなると,採用だけでなく,既に現職の裁判官に対しても大きな権限をふるう様になりやすい。

    「競争を勝ち抜いて新規に入ってくる人間はこんなに従順なのに,古株のこいつは何だ!」
    「(従順でかわいく,)今後伸びる若い人にも研鑽の機会を与えよう」
    「(古株のこいつよりも,若い彼に)早く重要な地位に抜擢して試してみよう」
    ・・・・こんなことを強気でどんどん推し進めることが出来るということか。



というのも,これとは反対に,バブル期には,裁判所は全く人気がなくなり,司法研修所の教官は,頭数の確保に必死になった時期が現にあった。

    当時弁護士も大変に儲かった時期で,裁判官よりも条件は良かった。



結局,瀬木さんの言われることも,大きな経済等の流れや枠組の中で,
最高裁判所事務総局にとって,人材確保が容易になり,人を選べる良い時期が続いているということ?

    日本の裁判官は,会社の従業員のような解雇規制はないので,他の日本の従業員の方を前提とすれば,確かに最近の裁判官の置かれている情勢は厳しい。



だから,取り巻く環境や情勢が変われば,事務総局も態度を変えるのではないの?
やはり更なる司法改革等によっても変わっていくだろうし,
例えば,ADRがどんどん作られ,活用されるようになり,裁判所の裁決を通さないことが増えてくると,バブル期のようなことが起こるのかもしれません。


最後に瀬木さんが言っていた,
「民事訴訟事件は,ここ3年くらいで大幅に減っている。これは裁判所離れである。」
は,私は,そこは少なくとも客観的に違うと思う。
ここ最近ぐっと新受件数が減ったのは,クレサラに対する過払金請求訴訟がなくなったこと。
逆に言うと,減る以前はこの過払金請求訴訟が大幅に増えて水ぶくれになっていた。ただそれだけ。
本当にがっぷり四つに組む訴訟事件は,その増減を除けば,大して変わりがない。


将来時代の変革や弁護士が喰っていくためのすさまじい努力が実を結び,あるいはADR等,裁判所回避が本当に始まるようなことになれば,最高裁事務総局の春は終わるよね。

あと,繰り返しになるけど,記録を読まない裁判官が増えたのは問題だね。これこそが最悪の問題。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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