72 懲役の実刑者と弁護士登録の可否

弁護士や検察官,裁判官を担任中の人が,実刑を受けた場合や,
司法試験を目指す前の若気の至りでやんちゃして実刑を受けたとき,弁護士にはなれないか。


弁護士法7条(弁護士の欠格事由)
次に掲げる者は,第四条,第五条及び前条の規定にかかわらず,弁護士となる資格を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられた者
二 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者
・・・・。
ただ,他方で,
刑法34の2(刑の消滅)
1 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは,刑の言渡しは,効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも,同様とする。
・・・・。
とありますので,罪を立派に償い,その後無事10年が経過したときは,救われる余地が解釈上十分にあります。


というのも,最高法規である憲法には,39条,14条,13条という重要な人権規定が定められているからです。

なるほど一度は犯罪を犯し実刑を受けた。
しかし,だからといって,悔い改めて真面目に真面目に服役を終わり,罪を償い,かつその後何事もなく,10年を経過した。
それでもなお,いつまでもいつまでも犯罪者扱いというのは,どうなのか。
結局,
1 罪人という名の『身分』を設定するに等しくなる,
2 その人の『幸福追求権』を害する,
3 何十年経ってもなお,同じ前科を問いつづけるなら,事実上の『二重処罰,三重処罰,四重処罰』になる,
ということにならないか。

もちろん,それで弁護士になれても,世間一般の非難や遠慮の態度は受け続けるはず。
だから,弁護士の商売は,始めたにしてもなかなか大変なこと。
既存の法律事務所からは,イソ弁として雇ってはもらえないことだってあるかもしれない。

また,それでなくとも,
そもそも現職の法律実務家の犯罪の場合,
[再度]弁護士登録を認めることがその犯罪内容等に照らし,社会正義や「公共の福祉」(憲法13条)に反する例?もあるかもしれない。
そのような問題事例の場合,この規定,あるいはその他の弁護士法の規定を用いてでも,とにかく登録拒絶をするべき場合もあるかもしれない。

しかし,他方で,法律家になる前の,未だ社会というものをよく分かっていない年代の,若気の至りの罪ならどうであろうか。
完全に道を閉ざすことまではせず,原則として,救う道を一応用意しておいてもよいのではないか?


場合によっては,懲役年数による線引きがあっても,良いかもしれない。

    外国人の特別永住者は7年以上の実刑を受けると国外退去を求められるが,
    例えば,7年以上の実刑の場合は,登録,再登録を認めないというやり方もあるかもしれない。



弁護士法の規定は,一見分かりにくいが,既に罪を償った人の人権と公共の福祉との兼ね合いは,以上の様に考えたらどうか。
人権,人権と,理屈ばかりをこねても(憲法39条,14条,13条),法律を扱う人の資格に関する事ですので,社会の人達からすると,しっくりと納得するのはちょっと困難なのでは?。


なお,弁護士はともかく,検察官,裁判官にはなれません。

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

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