57 転勤時の家裁調査官は・・・・。

家庭裁判所を肩で風を切って歩くと言われる家庭裁判所の調査官。

裁判官よりは格下といわれているが,実権は遥かに上とも言われている。

年間50名ほどしか採用されない,国家上級職のエリート,最高裁家庭局の直轄人事であり,地方の高等裁判所すら人事権がない。
(それでいて,組合活動は盛んです。)

高等裁判所所在地の首席調査官に出世すると,行政庁の事務次官と同レベルの給与水準(月130万円)位になると言われている。
だから,その意味でも並みの裁判官からすると,こちらの方が上。

その専門性は,かなり確かなもので,裁判官も弁護士も一目も二目も置いている。



しかし,私はどうしても気に入らないことが1点だけあった。
(調査官の名誉のために,ほかは全くないことを強調しておく)

それは,転勤時に,少年の試験観察の意見を出さないこと。
つまり,引継をする後任の調査官に申し訳ないと考えているからだ。
つまりそれくらい,よく言えば独立性が高い。

弁護士であれ,裁判官であれ,もしある事務所を辞めたり,ある裁判所から転勤する時には,後任者に事件の引継というものを行っていく。
後釜に来る人のために,事件の引継書を書くとともに,自分の手がけた事件を押し付ける結果になって申し訳ない旨のお詫びも添える。


これに対し,調査官は,転勤直前の3月に少年事件の意見書を提出するとき,もはや原則試験観察の意見は出さない。
試験観察の意見を出してそれが採用されると,4月に新しく来た後任者に押し付けることになって,申し訳ないと思うからだと思われる。
だから,その時期の意見は,切り捨てて低めの保護観察意見か,さもなくば,切り上げて高めの少年院送致の意見を提出する。
要は,3月中に決着の付く意見を書く。
結果的に3月の転勤時期は,事件処理にぶれとばらつきが生まれることにもなる。

もちろん,裁判所が見抜いて,試験観察にすると決めればよいことで,それを告げると,その時期の調査官は,二つ返事でOKする。いつもは抵抗しても。
後任者には,自分は試験観察の意見を書いていないのに,裁判官が決めたから仕方ないと申し送りをするわけ。

裁判官と弁護士は,だから,その時期だけは,よほど注意が必要です。
弁護士は,調査官面談よりも裁判官面談を重視する必要があります。

そのときだけは,調査官って,実に,お役人なんだなぁと思います。

参考:
→283 家庭裁判所調査官の転勤拒否例とその問題点
→183 中学校照会なき少年調査票の問題点
→93 「私は子どもの代理人です。」



追伸:

    あと,ついでにもう1つだけ。
    調査官は自分が少年院送致意見を書いて,それで送られた少年の視察は基本的に行きませんね。
    動向視察は少年教育の重要な要素の1つですけどね

                    -byフローラ法律・岡崎 from 2013.3.24-

カテゴリー:家庭裁判所

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中